コラム 2016.08.03

リオで楕円球が輝く 92年ぶりのオリンピックへ

リオで楕円球が輝く 92年ぶりのオリンピックへ
リオのコパカバーナビーチに展示されたオリンピックリング(Photo: Getty Images)
 世界中のトップアスリートが集うスポーツの祭典、2016夏季オリンピックが、いよいよ8月5日に開幕します。熱狂の舞台となるのはブラジルのリオデジャネイロ。南アメリカ大陸でオリンピックが開催されるのは初めてです。
 ラグビーは92年ぶりに正式競技として実施されます。過去4大会(1900、1908、1920、1924年)は男子の15人制でおこなわれましたが、今回から7人制(セブンズ)での復活となり、女子ラグビー選手が参加するのも初という歴史的なオリンピックとなります。
 ラグビーの国際統括団体であるワールドラグビーによれば、2009年10月の国際オリンピック委員会(IOC)総会にて7人制ラグビーが2016リオ五輪の正式競技に決定して以来、世界のラグビー人口は倍増して773万人に達したといわれています。
 過去のオリンピックにおけるラグビーは、各大会で2、3か国の代表チームが競う小規模なものでしたが、今回のリオでは男女それぞれ12か国が参加。日本は男子も女子も初出場となり、メダル獲得への期待が高まっています。
 セブンズはデオドロ・オリンピックパークが会場となり、女子が8月6〜8日、男子は9〜11日に開催されます。どちらも、4チームずつ3プールに分かれて総当たり戦をおこない、各組上位2チームと、各3位のなかで成績が良かった2チーム、計8チームが準々決勝に進出。そして、メダル争いへとヒートアップしていきます。
【女子】
■プールA: オーストラリア、アメリカ、フィジー、コロンビア
■プールB: ニュージーランド、フランス、スペイン、ケニア
■プールC: カナダ、イギリス、ブラジル、日本
【男子】
■プールA: フィジー、アメリカ、アルゼンチン、ブラジル
■プールB: 南アフリカ、オーストラリア、フランス、スペイン
■プールC: ニュージーランド、イギリス、ケニア、日本
 2015−2016ワールドラグビーセブンズシリーズで総合優勝した男子フィジー代表は、金メダルの筆頭候補ですが、どの色でも、もしメダルを獲得すれば、同国すべての競技において初のオリンピックメダルとなります。
 今回オリンピアンとなったラグビー選手のなかには、15人制で活躍している世界的スターもいます。ワールドカップ連覇を遂げたオールブラックスのソニービル・ウィリアムズは妹のナイルとともに出場、ニュージーランドに金メダルを持ち帰ることはできるでしょうか。昨年のワールドカップでベスト4入りしたアルゼンチン代表からは、フアン・イモフがオリンピックの舞台に立ちます。
 陸上中長距離などで数多くのメダリストを輩出してきたケニアですが、リオではラグビー選手たちが歴史をつくるかもしれません。ワールドセブンズシリーズ(男子)で歴代通算最多トライゲッターのコリンズ・インジェラがその中心となるでしょう。
 92年ぶり3回目の金メダルを狙うアメリカ男子ラグビー代表も戦力は充実しており、ラグビー界最速といわれるカーリン・アイルズや、NFL(アメリカンフットボール)のスーパーボウル優勝を経験しているネイト・エブナーも注目です。
 女子は、昨季ワールドシリーズで年間チャンピオンになったオーストラリアが優勝候補といわれています。スピードスターのエリア・グリーンはどんな走りを見せてくれるでしょうか。同じく金メダルを狙うニュージーランドは、歴代得点王・最多トライゲッターであるポーシャ・ウッドマンなどがおり、注目です。
 もちろん、日本も最高の布陣が整いました。桑水流裕策キャプテンが引っ張る男子セブンズ代表も、中村知春キャプテンを中心に挑む“サクラセブンズ”も、長い間、過酷なトレーニングを積んできました。オリンピックの舞台で、世界中を驚かす準備はできた。
 いよいよ、オリンピアンによる最高の戦いが始まります!

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