自身の力で道を切り拓く。U20セブンズ日本代表、松永貫汰の夢。
本日(7月30日)マレーシアのジョホールバルで開幕した『アジアラグビー U20男子セブンズシリーズ マレーシア大会』。同大会に参加しているU20男子セブンズ日本代表のメンバーの中で、唯一花園常連校でないチームから選ばれた選手がいる。大阪産業大学付属高2年の松永貫汰だ。166cm、72kgと小柄ながらキレのいいランニングスキルを評価されて同代表に選ばれた。大会へ出発する直前におこなわれた合宿では、「周りは強豪校から集まった選手ばかり。ああ、こんなプレーもあるんやとか、いろんなことを知ることができて勉強になっています」と語った。
兄・拓朗さん(1学年上)の影響で、大阪・中野中入学と同時にラグビーを始めた。中学3年時には大阪府中学選抜のメンバーに選ばれ、全国ジュニア大会にも出場。兄が進学した大阪産業大学付属高に進み、昨年の花園予選では大阪第1地区決勝まで進出したが東海大仰星に敗れて(31-0)大舞台に立つことはできなかった。
今春の選抜大会で全国大会の空気を吸うことになったが、兄や仲間と『花園』で戦う夢はまだ叶えていない。セブンズユースアカデミーのメンバーに選ばれるなど、個人の才能を刺激する場には参加できているだけに、そこで高めた力をこの秋こそ花園初出場に結びつけたいと願っている。
2年生にしてU20代表に選ばれているのは、サイズの大きな相手にも対抗できるスキルを持っているからだ。本人は、「小さいのでタックルされない位置でボールをもらい、仕掛けていくことを心掛けています。自分の間合いで相手のマークを外し、ラインブレイクする」と自身のスタイルを語る。
「好きなのはベンジ・マーシャルです(ラグビー・リーグの天才的フットボーラー。2014年にブルーズでスーパーラグビーに挑戦もプレースタイルが合わず早期契約解除)。ステップが凄い。コーチに参考になると言われ、動画でチェックしていました」
15人制ではFBでプレーするだけに、ボールタッチの回数を増やす感覚は高い。積極的な姿勢をアジアでの舞台でも披露してほしいところだ。
将来の夢を「トップリーグでもプレーしたいし、ジャパンにもなりたいし、オリンピックにも出たい」と話す。所属チームの看板でなく、自身の実力で道を切り拓いてきた少年は、これからも経験するすべてのことを自分のものにして成長を続けるだろう。
この秋の花園挑戦は、兄とともに聖地を芝を踏む最後のチャンス。今大会で得る経験値も、その夢の実現に結びつけたい。