国内 2016.07.28

明大では池田渉新BKコーチが指導。主力組の自覚促す。

明大では池田渉新BKコーチが指導。主力組の自覚促す。
4月の東日本大学セブンズで選手にアドバイスを送る明治大の池田渉コーチ(撮影:福島宏治)
 昨季は大学選手権で5季ぶりの4強入りを果たした明治大は、1996年度以来の日本一を目指す。丹羽政彦監督体制4シーズン目となる今年度は、元日本代表SHの池田渉BKコーチが就任。関東大学春季大会Aグループでは2勝3敗とやや苦しんだが、4月の東日本大学セブンズ、7月のジャパンセブンズ(ともに東京・秩父宮ラグビー場)といった7人制の大会では確かな情報整理力を活かした。
「セブンズ独特のスペースの広さ、裏にあるスペースをどう埋めるかという立体的なディフェンス…。そういったところを少しやっただけ」
 
 東日本大学セブンズでは準優勝を果たした池田BKコーチは、自らも代表選出経験がある7人制の指導内容をこう述懐。普段の15人制と同じサイズのグラウンドで約半数の選手がプレーする競技の構造を、短期間で落とし込んだ。ジャパンセブンズの時も含め、準備期間は、それぞれ大会前約1週間ずつ。それでも、7人制のチームで主将を担った4年生の尾又寛汰に「わかりやすく落とし込んでくれた」と喜ばれた。
「でも、ブレイクダウン(密集戦)は人数が少ないだけで(その地点で個々が)やることは15人制と一緒。低いタックルをしないと相手を止められないことも15人制と一緒」
 コーチがこう続けるなか、くしくも尾又は優勝を逃したジャパンセブンズ終了後にこう言った。
「ディフェンスでのコミュニケーションなど、出た課題は15人制(で負ける試合)と共通するなと思いました」
 池田は流経大卒業後、一時NTT東日本(NTTコムの前身)でプレー。よりハイレベルな環境に身を置くべく、2000年、三洋電機に転籍した。以後、プロ選手として鋭いランとキックを披露し、2005年から約1年間は日本代表の主将も任された。
 2008年度から7シーズン、在籍したリコーでは、クラブ内での規律遵守を徹底。入部当初は下部リーグに低迷していた古豪で、1シーズンでのトップリーグ復帰などを経験した。
 そんな経験値もあってか。例えば高校時代に日本代表の練習生となったCTBの梶村祐介ら主軸へは、周りの力を引き上げるよう促している。
 引退後は各所でスポットコーチなどを請け負うも、フルタイムでのコーチングは明大での仕事が引退後初にあたる。池田BKコーチは「FWとBKの間でリンクができていないところも。ただ、それはこれからの合宿で詰めていける。それほど心配はしていないです」と、努めて前向きに語る。成果は現れるか。
(文:向 風見也)

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