各国代表 2016.04.29

ハイランダーズで刺激、成長。「9」と主将背負う内田啓介が日本代表牽引。

ハイランダーズで刺激、成長。「9」と主将背負う内田啓介が日本代表牽引。
中竹竜二HC代行が「経験値の高い人で組んだ」という初戦メンバーの
先頭に立つSH内田啓介主将。(撮影/松本かおり)

 これまで経験してきたテストマッチとなんら変わりないと言った。
「やはりテストマッチは特別です。興奮します」
 4月27日にニッパツ三ツ沢競技場でおこなわれるアジアラグビーチャンピオンシップの初戦、韓国戦で日本代表の主将を務めるSH内田啓介が言う。出場登録23人の総キャップ数31、17人がノンキャップというチームを率いる。
「誰が見ても(日本の)トップチームというわけではありませんが、自分自身も含め、チャレンジする気持ちでいっぱい」
 エディー・ジョーンズ体制の4年が終わり、新たに2019年のワールドカップを目指すサイクルが始まるシーズンの第一歩。仲間も自分もいいスタートを切りたい。しっかりしたパフォーマンスを示し、「いつもそこにいたい」と表現する6月のジャパン、つまり誰もが国内トップと思うチームの一員になるための戦いでもある。

 2015-2016年の国内シーズン終了後はNZ・スーパーラグビー、ハイランダーズに留学した。昨年のリーグで頂点に立ったチームの空気を吸い、トップ選手たちと同じトレーニングに取り組んだ。また、ディベロップメントチームのSHとして試合経験も。いい刺激を受けた。
「(オールブラックスのSH)アーロン・スミスとともに練習できたのは大きかったですね。トイメンについたり、一緒にパス練習をしたり。学ぶことは多かった」
 ジャパン、パナソニックで時間をともにしてきた田中史朗の偉大さもあらためて知った。
「あの環境の中で4シーズンやっているのはやっぱり凄いな、と。タフになる理由がわかりました」
 サンウルブズへの参加と迷った末に選んだハイランダーズ留学だった。ジャパンを狙う上でライバルとなるSHたちが、ハードなリーグの中で経験値を高めているのは知っている。しかし「自分もレベルアップしてきた」と話し、選択に悔いはない。まずは対アジアでの戦いで、成長した姿を示す。

 昨季までに手にした日本代表キャップは12。それらはジャパンへの定着をアピールする中で積み上げたものだ。その頃と、キャプテンを務める今回の立場は違うが気負いはない。「他にもいるリーダーの人たちを信頼しているので負担は感じていません」と言う。
「やることは明確になっています。それを遂行し、問題が起こればすぐに解決しながら戦っていきたい。そのためには密なコミュニケーションが必要なので、そこをピッチの中でも外でも徹底するようにしています。アタックはこれまで(エディー時代のシェイプ)とあまり変わりませんが、エリアの考え方は少し違う。自陣からはキックも使い、賢く戦うイメージです」
 これまで、先発SHとしてのテストマッチは12キャップのうち2試合のみ(他にWTBで先発が1試合あり)。2019年に向け、背番号9を背負う試合を増やしていきたい。

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