海外 2016.03.16

サンウルブズのリーダー格、立川。ノーサイド直前に球失うも、歩みを止めない

サンウルブズのリーダー格、立川。ノーサイド直前に球失うも、歩みを止めない
チーターズ戦でボールを拾い上げ走ろうとする立川理道(Photo: Getty Images)
 3月12日、シンガポール・ナショナルスタジアム。前半を28-13で折り返し、初勝利を視界に入れたサンウルブズだったが、逆転負けを喫した。
 世界最高クラスの国際リーグ戦、スーパーラグビーに日本から初参戦。チームにとって2戦目となる第3節で歴史的な白星を目指していたが、南アフリカのチーターズに31-32で屈した。
「簡単には勝てないなというか、この1点は近いようで遠い感じがします。きょうは観ている人にとっては勝てそうだった試合で、それを勝っていくことが大事だと思う」
 こう語るのは立川理道。昨秋のワールドカップイングランド大会の日本代表でもある26歳だ。今度のチームではストラテジーリーダーとして、戦略術の伝達役を担っている。しかしこの夜、1点差を追うノーサイド直前の攻撃で球を失ってしまう。チャンスを逸していた。
「南アフリカ人がやってくるようなタックルを向こうがしてきて…。あの最後の場面でやられてしまうというのは、僕自身も反省しないとだめです。もうこういうこと(惜敗)がないように、チームの皆で勉強していきたい」
 2月27日、東京・秩父宮ラグビー場での開幕節では、やはり南アフリカのライオンズに13-26で敗れた。試合が組まれていない第2節を挟んでおこなった約2週間の準備期間にあって、攻める際の選手間の連携を修正した。より、球を動かしやすくした。
 チーターズ戦では、チーム全体で相手のスペースを共有。的確なプレーを選んだ。WTBの山田章仁が前半に挙げた3トライは、左右への揺さぶり、左から右への高めのキックパス、守備網の背後へのショートパントをきっかけとした。いずれも、相手防御のスペースをえぐっていた。「リンクのところ(異なるポジション同士の連携)は、徐々に良くなっています」と、立川は胸を張った。
 国内所属先のクボタやジャパンでは、おもにSOやインサイドCTBとして活躍する。身長180センチ、体重95キロの体躯で、ボールをもらう前から鋭く仕掛ける。攻防の境界線で、相手とすれ違いざまに抜け出す。
 サンウルブズでは選手層の関係から、アウトサイドCTBとして2戦連続で先発している。不慣れなポジションで日々、勉強中だ。挑戦開始から約1か月が経過した3月初旬、開幕節での収穫と反省をこう語っている。
「12番(インサイド)でも13番(アウトサイド)でも、そういう(得意な)プレーはしていきたい。アタックではそれほど悪いところは出なかったんですけど、ディフェンスはもっとよくできるし、FWとのリンクももっと上手くできるようになると思います」
 勝ちゲームを落としての2連敗とあって、落胆は小さくなかろう。それでも歩みを止めない。チーム発足時は初対面の仲間も多く、急造チームに近かった。当時と比べれば、いまは十分なまとまりを示している。2戦連続で同じスターティングメンバーで臨んできたことも、ファンを沸かせる組織力の背景にはある。
 そんななか、チーターズ戦後の立川はこう先を見据えていた。
「結果は残念だと思っています。勝ち切れない原因はしっかり見つけていきたいです。でも、前半もいい形で終われたし、評価できるところはある。これからは、チーム内での仲間との競争も大事になってくると思います。強いチームは、そこの意識が高い。どんどん、よくなればいいな、と」
 3月19日、秩父宮でオーストラリアのレベルズとの第4節に挑む。部内競争が活性化しても、立川は「試合に出られればどこでもいい」とファーストジャージィを狙う。
(文:向 風見也)

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