国内 2016.02.11

今年は本気。トップリーグ選抜、オールスターのサンウルブズ戦へ結束固める。

今年は本気。トップリーグ選抜、オールスターのサンウルブズ戦へ結束固める。
オールスターゲームに向け練習するトップリーグ選抜チームのLO小瀧尚弘(撮影:見明亨徳)
 国内最高峰トップリーグ(TL)のオールスター戦である『FOR ALL チャリティーマッチ2016』が2月13日、愛知・豊田スタジアムでおこなわれる。今季は華試合ではなく、サンウルブズの壮行試合として開戦。世界トップクラスリーグのスーパーラグビーへ日本から初参戦する相手を前に、TL選抜が10日からの合宿で万全の準備を図る。
 TL選抜のヘッドコーチを務める東芝の冨岡鉄平監督は、「この1戦への準備と意気込みは向こうよりもこちらの方が上」。今季のTL選抜では、キャプテンは昨秋のワールドカップ(W杯)イングランド大会で日本代表だったSO廣瀬俊朗が主将を務め、HO湯原祐希、PR浅原拓真(以上東芝)ら、代表経験者のなかでも今季出色の活躍を果たした面子が揃う。指揮官は「自分が真剣勝負をすると考えた時に、こいつと一緒にやりたいと思える選手しか呼んでいません」とし、こう続けた。
「(実際に指導したら)予感的中どころか…。(全体的に)インターナショナルレベルで見たら(身体は)小さく映るけど、(最近の)ジャパンに入ったメンバーよりもラグビー偏差値の高い選手がたくさんいるんですよね。フィジカルを知恵で補おうとしている選手が集まっているんだから、そりゃ、レベルは高いですよ。全員ジャパンに入れたいし、全員サンウルブズに入れたいです」
 昨季チームを陰から支えたLO谷田部洸太郎(パナソニック)、身長177センチとフランカーとしては小柄ながらベストフィフティーン入りしたNTTコムの金正奎、ヤマハが誇る身長187センチのバイプレーヤーであるLO大戸裕矢、身長173センチながら思い切りのよいランを繰り出すWTB伊東力(ヤマハ)など、登録メンバーは実力者揃い。10日に提示された戦略術のパターンを受け、緊張感のあるセッションをおこなっていた。
 間もなくニュージーランドへ渡ってスーパーラグビーのチーフスでの2シーズン目を戦うFLリーチ マイケル(東芝)は、この日の練習に助っ人として参加した。「(TL選抜は)強いですよ。1人ひとりがいいプレーヤーですし、試合では必死さが伝わると思います」と話した。「(オールスター戦は)出ないです」と笑う。
 元日本代表で、2007年のW杯フランス大会のカナダ代表戦において試合終了間際に同点ゴールを決めたSO大西将太郎(豊田自動織機)は、このゲームを最後に引退する。「練習をしたら、(メンバーの)意識と能力の高さがわかりますよ。僕は身体がもたないので20〜30分くらいの出場かもしれませんが、本当の試合のように勝ちに行きます」と思いを明かした。
 今季の新人賞を獲得したLO小瀧尚弘(東芝)は、TL側から渡されたアンケートで「選ばれれば出たいのところにマルをつけた」ことからラインナップに加わったと話す。「ミーティングでも、勝ちに行くという話が出た。最初は緊張したのですが、先輩たちもサポートしてくれていて。周りの選手は、自分よりもレベルが高いです…」と殊勝に語った。身長194センチ、体重110キロの力自慢。相手をつかみ上げるチョークタックルで魅せる23歳だ。サンウルブズのトレーニングスコッド入りも期待されるが、その件については「わからないです」と言葉を濁していた。
(文:向 風見也)

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