国内 2016.01.10

トップリーグ順位決定トーナメント。敗者はいずれも「修正して入替戦へ」。

トップリーグ順位決定トーナメント。敗者はいずれも「修正して入替戦へ」。
ドコモを倒したホンダ。WTBレメキは7人制代表のパフォーマンスを披露。
(写真/見明亨徳)

 トップリーグ順位決定トーナメント(9-16位決定)4試合のうち2試合が1月9日、東京・駒沢陸上競技場で行われた。負けると13位以下となり地域リーグとの入替戦となる負けられない試合。ホンダ・ヒートが23対20(前半15対13)でNTTドコモレッドハリケーンズを、クボタスピアーズが30対20(前半22対13)でNECグリーンロケッツを破った。いずれも接戦を制し、トップリーグ残留を決めた。

■第1試合 ホンダ・ヒート 23対20 NTTドコモレッドハリケーンズ

 NTTドコモ有利と見られていたが、ホンダが常にリードを保ち勝利した。
 前半8分にドコモ陣内で右ラインアウトを得ると、すかさず左オープンへ回す。すると、ホンダの縦に強いランナーを意識して中央に寄っていたドコモ防御が見えない。ホンダFBビヨーン・バッソンが悠々と右ライン際を走り、先制トライを奪った。3分後には、ドコモがノックオンしたボールをホンダが拾い、自陣から攻めた。最後はFL中田晃司がファイブ・ポインターとなり、早々に12対0と差を広げた。

 これに対し、ドコモも黙ってはいなかった。ホンダ陣へ入ると、15分、19分とPKを得て、SOハンドレ・ポラードがPGを決める。12対6と追い上げた。ホンダがPGで3点を加えた後の33分にも反撃した。ドコモは敵ゴール前5メートルでマイボールのスクラムを組むと、ラックサイドで攻撃を繰り返し、HO泉敬がポスト下にねじ込む。コンバージョンも成功して15対13と迫り、前半を終えた。

 後半も最初の得点はホンダだった。ドコモ陣22メートル付近の右ラインアウトからボールをライン際に運び、セブンズ日本代表WTBレメキ ロマノ ラヴァが勝負に出る。ドコモ防御を置き去りにしてトライラインを越えた(20対13)。23分にもレメキがPGを成功させて23対13。しかしドコモも粘り、27分には泉がラインアウトから2本目のトライを奪って23対20と射程圏内へ迫った。

 意地のぶつかりあいが続くラスト10分間。ホンダはドコモのラインアウトをスチールし、ボール保持を続けていた。しかしホンダ勝利のホーンが鳴る瞬間、ドコモがターンオーバー、最後の攻撃を仕掛けた。そして最後は外に振るも…ボールはタッチへ出て、ノーサイドとなった。
 かろうじて勝利を手にしたホンダHO天野豪紀主将は「この1週間。最高順位9位を目指してワンチームになろう、と話してきた。ディフェンスで圧力をかけることができた」と満足気だった。
 敗れたドコモWTB渡辺義己ゲームキャプテンは「メンタルの部分を切り替えて次の試合に勝利できるよう準備したい」と話した。

■第2試合 クボタスピアーズ 30対20 NECグリーンロケッツ

 試合の行方は、前半30分までにほぼ決まった。
 1PGずつの3対3で迎えた18分、クボタは前に出るディフェンスでNECのハンドリングミスを誘いボールを得た。CTBマット・サンダースが自陣から一気に左ライン側を駆け抜けゴール中央に飛び込んだ。コンバージョンも成功して10対3に。7分後、NECがクボタ陣内で攻めるもミス。ボールはサンダースに渡り、2トライ目を奪った。さらに3分後には、サンダースがNECゴール前まで走るとフォーローしたFLグラント・ハッティングにパス。5点を加点するなど22-3と大きくリードした。
 NECも粘った。33分、40分にラインアウトからモールを組んで2トライを返し、22対13で前半を終えた。

 後半は、互いになかなか点を奪えない状況が続いた。しかし20分、クボタはPGを決めた。24分にはFBアイザイア・トエアバがトライラインを越えて30対13。NECの反撃を1トライに抑え、TL残留を手に入れた。
 クボタCTB立川理道ゲームキャプテンは「いいとこ悪いとこ両方が出たが、勝って反省できる試合になった。ディフェンスは意図通りだった」。石倉俊二監督は次戦が豊田自動織機シャトルズになったことに「プレシーズンで負けている(トーナメント7位決定戦17対21)。完全にリベンジしたい。9位を目指す」と答えた。
 入替戦を戦うことになったNEの。瀧澤直主将は「前半、ミスから一発でトライを取られてしまった。ミスは1本で済ませるべきだった。そこにフォーカスして修正していく。まだ3試合ある。本当は2試合のつもりだったのに」と悔しさをにじませた。

 1月16日の9-16位決定トーナメント2回戦の対戦は下記となった
■9-12位 サントリー×ホンダ、クボタ×豊田自動織機
■13-16位 コカ・コーラ×NTTドコモ、NEC×リコー

(文・見明亨徳)

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後半も最初にクボタがトライラインを越えた。
写真は28分FBアイザイア・トエアバ。(写真/見明亨徳)

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