国内 2016.01.07

3冠に王手をかけた、東海大仰星高の守備のデパート。

3冠に王手をかけた、東海大仰星高の守備のデパート。
東海大仰星の2トライ目を決めたLO横井達郎(撮影:早浪章弘)
<全国高校ラグビー大会 準決勝>
東福岡高(福岡・16年連続26回目) 22-24 東海大仰星高(大阪第1・3年連続16回目)
(2016年1月7日/大阪・花園ラグビー場)
 守備のデパートを繁盛させた。
 春の選抜大会、夏の7人制大会を制していた東海大仰星高が昨季王者の東福岡高を倒し、タイトル総なめに王手をかけた。
 
 前半14分頃、敵陣22メートルエリア右。1対1で強さを示す緑のランナーに対し、ネイビーのタックルが刺さる。2人がかりで、3人がかりで。1つの接点に人数を割かない東福岡高が右大外へ数的優位を作る。ピンチか。否。大外では、CTB山本悠太が鋭利な出足で襲いかかる。パスの受け手は落球した。
 実は、前半6分にスコアを7-3とする際の逆転トライも、同種の守りが契機となっていた。敵陣深い位置でNO8河野大地が、CTB山本と似た詰め寄り方からインターセプト。そのままインゴールを割った。
 湯浅大智監督は言った。
「どこでボールを取るかを決めると、他の場面で力を抜いてしまう。全部、仕掛けよう、と」
 後の勝者は、LO横井達郎によれば、「集団の力で」。接点周辺では、1人目のタックラーが相手を押し込む度合いに周りが呼応した。自陣ゴール前で張り付けにされた前半19分。足元へのタックルを重ねるなか、一転、束になって相手をつかみ上げた。封鎖。SO岸岡智樹は解説する。
「相手は立ってボールをつなぎたい。そこで優位にさせない状況を…と」
 後半はパスコースに角度をつけるなどしてスコアを挙げた東福岡高だが、敗れたNO8服部綾主将は「前に出てくるディフェンスや(中心部から外側への)ディフェンス…。全部を使われていた」と脱帽した。
(文:向 風見也)

PICK UP