国内
2016.01.07
もうひとつの花園 少人数校のラガーマンたちも聖地で輝く
突破して先制トライを決める西軍(愛媛・野村高校)のFB田中良真
(撮影:早浪章弘)
全国高校大会に出場できない少人数校の高校ラガーメンに夢と希望を与える「U18合同チーム東西対抗戦」が、1月7日に聖地・花園ラグビー場(大阪)でおこなわれ、第8回目となった今年度は、京都・山城高校のLO河野知哉がキャプテンを務めた西軍が31-12で制した。
東軍はキャプテンのHO安孫子萌人(宮城・多賀城)を中心にまとまり、一進一退の攻防を繰り広げていたが、先制したのは西軍だった。西軍は序盤からやや劣勢だったものの、WTB森内鉄兵(長崎・長崎西)のビッグゲインで活気づく。そして前半27分、スクラムからの展開でFB田中良真(愛媛・野村)が抜け、50メートル以上を独走した。
7-0で迎えた後半早々には、SO西山浩輝(奈良・高田)がルーズボールを拾って自陣から走り切り、追加点。7分にはゴール前でSH中森幸樹(宮崎・延岡)のナイスパスを受けたLO楠橋健介(兵庫・神戸弘陵)がインゴールに突っ込み、10分には相手のハンドリングエラーで得たボールをテンポよくつないで最後はCTB長谷川耀(長崎・佐世保工業)がトライを挙げた。後半から西軍のキッカーを務めたCTB田原寛章(奈良・畝傍)も確実に得点を重ね、西軍が26-0と大きくリードする。
しかし東軍は後半24分、敵陣深くでのPKからFWが前進してゴールラインに迫り、最後は途中出場のHO森山雄樹(東京・東海大学附属菅生)が押し込んで嬉しいチーム初得点を挙げた。CTB濱慧悟(東京・東京農業大学第一)のコンバージョンも成功。27分に西軍のFB田中が鋭いステップワークでゴールへ持ち込み、勝負を決定的なものにしたが、東軍はラストアタックでPR荒川遼司郎(東京・北園)がトライを決め、両チーム精いっぱいの60分間は終わってスタンドから大きな拍手が送られた。
力走した選手、ハードタックルを決めた選手、体を張った献身的なプレーやサポート、見事なハンドリングで光った選手など、挙げればきりがないが、“もうひとつの花園”で輝いた若人たちの汗もまた、美しかった。
第8回 U18合同チーム東西対抗戦に参加した選手、指導者たち(撮影:毛受亮介)