国内 2015.12.12

新人&強行出場のリーチらFWが成果示すか 東芝、王者パナソニックと激突へ

新人&強行出場のリーチらFWが成果示すか 東芝、王者パナソニックと激突へ
開幕から東芝の8番を着続けているルーキーの徳永祥尭(撮影:桜井ひとし)
 12月12日、国内最高峰のラグビートップリーグの第5節にあって、昨季王者のパナソニックとぶつかるのは東芝だ。計16チームが2つの組に分かれたリーグ戦ではグループAに入り、3勝1敗、総勝点15で3位につけている。リーグ発足以来常に上位4強入りするクラブが、現在同グループで全勝のチャンピオンに挑む(東京・秩父宮ラグビー場)。
 5日、埼玉・熊谷ラグビー場での第4節ではリコーに52-7で大勝。前年度から注力しているシェイプによる連続攻撃を繰り出しつつ、このチームの伝統であるドライビングモールでも4つのトライを導いた。
 遡って11月21日の第2節では、NTTコムに13-37で敗れていた(鹿児島・鴨池陸上競技場)。昨季8位の相手に喫した黒星を「選手に(戦略を)提示する方法を間違えた。NTTコムが相手だから…ではなく、自分たちの準備してきたものを」と反省した冨岡鉄平監督は、「FWがいい準備をして、自分たちの大事にしてきたものを出す、と。大満足。しっかりとしたまとまりを作れた」と前を向く。
「勝つために準備はしていますけど、リーグ戦は全勝で行けるほど簡単ではない。その時、その時でかみ合わない週があって、そこで負けたとしても、その負けから何を学ぶかが重要であって。最終的に我慢比べから顔を出してくるのは、やはり、皆さんが想像されるチームだと思うし、僕らはそのなかの1つでありたい」
 膝の負傷のため前節を欠場した日本代表主将のFLリーチ マイケルはパナソニック戦には先発予定。ワールドカップイングランド大会後の取材ラッシュのため、一時は疲れも覗かせていた。しかし11月下旬に、「冨岡監督とのミーティングでいい話をしてくれた」と本人は言う。
「皆が期待しているプレーを、期待以上にやる、と。そういうこと」
 FW陣には、ランナーとして躍動するNO8徳永祥尭ら1年目の選手が並ぶ。なかでも帝京大3年時に日本代表入りしたLO小瀧尚弘は、身長194センチ、体重110キロの巨躯ながら、スピードや運動量も持ち味とする。中居智昭FWコーチによれば、学生時代は低い姿勢での突っ込み一辺倒の感があったが、いまはLO小瀧の体格で最も「ナチュラルに力を出せる高さ」で密集戦に参加するようになったという。結果、胸板と上腕で相手を挟み込み、身動きを取りづらくさせる。練習中にそのプレーを繰り出せば、在籍する外国人選手も苦しむようだ。SO森田佳寿によれば、「(在籍8年目のFLスティーブン・)ベイツも動かないですからね」。本人は敗れたNTTコム戦のプレーを「キックチェイス(キックを捕球する相手へのプレッシャー)の時に1人で勝手に飛び出したり、ゲームの理解度で適していない部分がある」と謙遜しつつ、「(ぶつかり合いで相手を)強いと思う感じはない」と自信を覗かせる。
(文:向 風見也)

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