パナソニック、2連勝の障壁は南アフリカの怪人。
日本最高峰のラグビートップリーグ(TL)で3連覇を狙うパナソニックは、11月21日、京都・西京極陸上競技場で近鉄とのリーグ戦グループA・第2節を戦う。13日の開幕節でサントリーを38-5で下しているが、ロビー・ディーンズ監督は「それは先週の話。次の試合へ集中するだけ」と手綱を締める。
「(近鉄は)自分たちでボールを動かすラグビーも上手にできるし、そこへキックを織り交ぜてくる」
個々の判断に周囲が呼応する攻防で、攻撃的スタイルを標榜するサントリーを圧倒。しかし、その直後にHO堀江翔太主将は「(後半初頭に)いらん反則が多かった。勝っていようが、直すところはある」と話していた。20日の練習後は、こうだ。
「近鉄戦に向けてどう準備するか。相手をしっかり分析して、やれることはやったという感じ。反則は、当日にどんなものが出てくるかはわからないですけど…減らしたいとは思います」
SH田中史朗は「身体は動いているので、あとはコミュニケーション。『誰がどこへ行った時に、誰はどうする』といった部分の質を上げていけば、もっとよくなる」と言葉を重ねた。PR稲垣啓太はこんなふうに、次節への準備内容を明かす。
「(開幕節後の)休みの間はしっかり疲れを取りながら、相手の映像を観て分析、という感じです」
次節でぶつかる近鉄には、南アフリカ代表経験者が並ぶ。特にCTBダミアン・デアリエンディは、HO堀江主将、SH田中、PR稲垣らが日本代表として出場したワールドカップイングランド大会でもプレー。ホンダとの開幕節(14日/大阪・花園ラグビー場/○25-12)でも好守で存在感を示していた。
CTBデアリエンディが10月末のW杯閉幕後の合流で確かな働きを示したのは、「彼が純粋にいい選手だからだ」とディーンズ監督は即答する。PR稲垣は「ワイドなアタックのなかで彼ら(CTBデアリエンディなどの大物)を交えてくると思う。(守備網での)コミュニケーションを取って、ミスマッチ(大きなPR対細身のWTBなど、体格差や俊敏性が大きく異なる選手同士の1対1)を作らないようにする必要はありますね」と話し、SH田中は「12番の選手は要注意。ただ、その人ばかり意識していたら他の選手が空く。どの選手に対しても集中したいです」と別な角度から警戒心をあらわにした。
近鉄戦は14時、キックオフ。