国内 2015.10.25

全国高校ラグビー東京都予選 第2地区4強は東京朝高、目黒、早実、明大中野

全国高校ラグビー東京都予選 第2地区4強は東京朝高、目黒、早実、明大中野
東京朝高NO8文がラインアウトからトライを決めた(撮影:見明亨徳)

 今年の秋も全国各地で高校生の熱い戦いが繰り広げられている。
 10月25日は「全国高校ラグビー大会東京都予選(第1地区、第2地区)」の準々決勝、計8試合が行われ、4強が決まった。
 第2地区は東京朝鮮高グラウンドで行い、東京朝鮮高、目黒学院、早稲田実業、明治大中野が勝ち上がり、11月1日の準決勝は東京朝鮮高×目黒学院、早稲田実業×明大中野と決まった。

■第1試合 東京朝鮮高 35(前半21-3)17 日体荏原
 東京朝高が前半風上に立ち、キックも有効に使うなど有利に戦った。しかし先制は荏原。3分、東京朝高が荏原ゴール前スクラムから攻めるもターンオーバーし、東京朝高陣へ。そこで東京朝高が反則を犯しペナルティゴールを決めた。
 東京朝高は前半10分に荏原陣内でラインアウトを得るとモールで前進し、FL洪将極(ホン・チャング)が逆転トライを奪うと、4分後にもラインアウトから押し込みNO8文相太(ムン・サンテ)が押さえた。さらに19分にはセンターライン付近のスクラムから右へ回しBKがトライを奪い、21-3で前半を終えた。
 後半、荏原が反撃する。3分に東京朝高ゴール前、左ラインアウトからモールでトライをお返しした。9分には右ラインアウトから左へ回し連続トライを決め、21-17と4点差に追い上げ応援団を沸かせた。
 しかしセットプレーで優位に立つ東京朝高は慌てない。17分、荏原ゴール前ラインアウトからモールで攻めラックへ。NO8文がボールをインゴールへ。さらに25分には右WTBが左隅へ飛び込み勝負を決めた。
 東京朝高・呉昇哲(オ・スンチョル)監督は「(準決勝の目黒学院戦について)ボールを動かし相手の後ろのスペースを攻めたい。スクラムなどセットプレーで圧倒したい。春季大会は勝った(17-14で逆転勝ち)が、目黒は今度はトンガ選手4人にナイジェリア出身のWTBもメンバーに入れてくるでしょう。しっかり止めないといけない」と気持ちを引き締めていた。

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(写真:激しい突破で3トライを奪った目黒学院SOソセフォ)

■第2試合 目黒学院 83(前半45-0)0 都立青山
 目黒は前半2分、トンガ出身のLOアサエリ・サミソニがあっさりとゴールラインを越え先制すると、10分にもサミソニが連続トライをあげた。13分にはSH河野倫汰郎が』スクラムから8-9のサインプレーで一気にトライを奪う。河野は21分にも青山ゴール前のこぼれ球をインゴールへ運んだ。30分にはもう一人のトンガ出身SOファカダヴァ・ソセフォがファイブポインターとなり、前半だけで7トライ45点を奪い試合を決めた。
 後半に入っても攻撃の手を緩めず、ソセフォ2トライ、サミソニ、河野1トライなど6トライ38点を追加した。

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(写真:早実の攻めに法大は低いタックルで耐えた)

■第3試合 早稲田実業 22(前半7-0)7 法政大高
 早実が法大のゴールラインを背負っても粘り強いディフェンスに苦しんだ。前半5分、風下の早実が法大ゴール前に迫ると、ラックからNO8丸尾崇真が先制トライ。試合は一方的なものになると思われた。しかし法大は風上でも自陣からボールを回し早実を攻める。お互いノックオンなどハンドリングミスもあり、なかなか点を奪うことができないまま前半を終えた。
 後半も早実が法大陣で試合を進めると9分、ようやく丸尾が2本目のトライ。ゴールはFL大平純造が確実に成功し、7点を加点した。
 ところが法大は16分、早実ゴール前へ迫り反則を得るとすぐに攻めラックを形成しゴールラインを越えた。コンバージョンも成功し、7点差へ。
 試合を決めたのは強風。早実が法大ゴール前まで届くキックを蹴ると、法大が処理をミス。走りこんだ早大BKが拾い上げトライを決めた。
 冷や汗の勝利に大谷寛ヘッドコーチは「法大の気迫を勉強させてもらった」と、昨年、都北園に迫られた試合の時と同じコメントを発した。「トライを取られた場面はディフェンスの約束事ができなかった。法大のキーマン、NO8とFBをマークするように決めていたが、走られた。準決勝の明大中野は今年の練習試合は負けている。愚直にタックルをするしかない」と話した。

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(写真:明大中野主将のPR内山がラックからインゴールラインへボールを持ち込んだ)

■第4試合 明大中野 47(前半28-0)5 成蹊高
 明大中野が前半だけで4トライ28点。結局、計7トライ47点で成蹊を一蹴した。
 前半20分、スクラムからFWがサイド攻撃をしつように繰り返し、最後は主将のPR内山理夫がファイブポインターとなった。
 しかし、簡単に成蹊ディフェンスを抜けるためFW、BK個々人が自分で突破を図る展開になっていった。ゴール前へ攻めてもノックオンやミスでトライチャンスを逸した。
 後半も明大中野は攻めるも、15分までに2トライのみ。反対にあきらめない成蹊は22分、明大中野のパスをインターセプトしゴール前へ迫った。そこで反則を得ると、クイックスタートし待望のトライを奪う。明大中野は試合終了間際、内山主将がチームを鼓舞するトライで終えた。内山主将は「アタックが単発になってしまった。全員でアタックする意識を植え付けたい」と早実戦へ向け修正を誓った。

(文・撮影/見明亨徳)

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