W杯開催国イングランドが敗退! 激戦区で豪州にも敗れ、夢終わる
(Photo: Getty Images)
2015年10月3日はイングランドの人々にとって悲劇の日となった。
死の組といわれた最激戦区のプールA。第2戦でウエールズに敗れ、負けたら終わりという状況でオーストラリアに挑んだが、13-33という惨敗だった。2敗目を喫し、最終戦を待たずしてプールステージ敗退が決定した。ワールドカップでメインの開催国が決勝トーナメント進出を逃したのは史上初めて。選手やスタッフ、関係者、トゥイッケナムスタジアムで観戦した8万人近くのサポーターだけでなく、ラグビーの母国であるイングランド中の人々が夢を失った。
オーストラリアを活気づけたのはSOバーナード・フォーリーだった。3-3で迎えた前半20分、防御網を切り裂いてゴールラインを越え、リードを奪った。35分には攻撃の方向チェンジからWTBカートリー・ビールとのコンビネーションで再び穴をあけ、2トライ目。
ブレイクダウンではNO8デイヴィッド・ポーコックやFLマイケル・フーパーがイングランドを苦しめた。
オーストラリアの堅守を崩せずにいたイングランドだが、56分(後半16分)、辛抱強くつないだ末にWTBアンソニー・ワトソンがインゴールに飛び込み、息を吹き返す。
その後、相手の攻撃に耐えたホームチームは、PGを決めて13-20とし、ラスト15分間に望みをつないだ。
しかし、プレッシャーをかけ続けたオーストラリア。71分、SOオーウェン・ファレルが危険なタックルでイエローカードをもらい、イングランドは14人となる。スクラムでもオーストラリアが圧倒し、点差は広がった。
そして、ラグビー母国のプライドを胸に戦ったチームはラストアタックでもブレイクダウンでターンオーバーされ、逆に、ゴールドジャージーのCTBマット・ギタウにダメ押しトライを決められ、まもなく、試合終了の笛が鳴った。
プール突破はもちろん、ファイナル進出が使命だったイングランド代表だが、それは叶わぬこととなり、現在の心境を訊かれたスチュアート・ランカスター ヘッドコーチは「感情を説明することができない」と言葉を詰まらせた。「ホームで、すべての人たちをガッカリさせてしまった。みんなが多くの努力を注いできたが、失望させてしまって申し訳ない。今週も先週も、我々は力不足だった」。
クリス・ロブショウ主将も、「我々はねじ伏せられた。すべてのファンにすみませんと言いたいです」と語った。