まだ9月。まだ初戦。13年ぶりの1部は完敗発進も、専大うなだれず。
大東大SO川向瑛を止める専大PR小俣勇也主将。(撮影/松本かおり)
13年ぶりの舞台で容赦なき猛攻を受けた。昨季まで長く2部に沈んでいた専修大学だ。9月13日、熊谷ラグビー場。伝統の緑×白のジャージーは、関東大学リーグ戦1部の今季初戦、大東文化大学戦で完敗した。
31-71。奪った5トライは狙い通りだったり、自分たちの得意な形に持ち込んでのものだった。しかし大東大の爆発力(計11トライ/WTBホセア・サウマキ4トライ)にディフェンスがついていけなかった。
悔やまれるのは、試合開始直後のアタックだ。村田亙監督の「開始10分に集中しよう」の指示もあり、攻撃を継続した数分間。しかし、狙ったDGをチャージされてボールを奪われると、大東大CTBクルーガー ラトゥに大きく切り替えされる。パスをつながれ、イッキにゴールラインまで走り切られた(SH小山大輝)。機先を制すことはできなかった。
大事な時間帯を失ったのは後半も同じだった。14-31のスコアで、お互いに次の得点がほしかった開始3分。集中力高くトライを奪ったのは大東大だった。WTB戸室達貴が右タッチライン際からインゴールに走り込む。チャレンジャーはリードをさらに広げられた。
「1部のチームは違う」
試合後、敗れた専大の村田監督は言った。
「大東大は自分たちが勝つのが当たり前。(2部から)上がってきたところに簡単にトライをとらせないプライドも感じました」
細部の違いが大きな差となって表われた。
「ミスした後のリアクション。こちらが勝たねばならないところなのに、あちらの方がはやかった。数で上回らなければ行けないチームなのにそこでも負け、自信をもっていたスタミナも、あれだけハードに当たられることをくり返した後には劣ってしまう。そういうレベルに、何試合で慣れ、追いつけるかが大事だと思います。実際に戦うのは選手たちなので、それらを練習から意識続けて高めていくしか道はいないと思っています」
それでも監督は、「まだ始まったばかりです」と前を向いた。
「攻撃を重ねればスペースもできました。指示通りのエリアを攻めて取れたトライもある」
ただ、うまくいったことに固執することなく(この日ならキックを多用するのではなく)プレーする意識を持たなければいけないと注文もつけた。攻め続ける姿勢こそ自分たちの貫くべきスタイル。賢く点を取ることも大事だが、動き続けることこそ、小さな集団が数で相手を上回る唯一の道なのだ。
PR小俣勇也主将も言った。
「いいトライを取れたのは自信になりました。ただ、相手よりもっとはやく、多く動き続けないことが分かった」
敗れても『道』を確信できた。それがまだ9月で、初戦でよかった。