W杯前哨戦のジョージア代表戦は今夜 NO8マフィ、国際舞台復帰へ意気込む
(撮影:松本かおり)
ラグビー日本代表は現在、4年に1度のワールドカップ(W杯)に向け開催地のイングランドで準備を重ねている。19日、ブライトンで本番のプール初戦に挑む(対南アフリカ代表)。
現地時間5日にグロスターでおこなわれるグルジア代表とのウォームアップマッチでは、NO8アマナキ・レレイ・マフィがリザーブ入りした。8月に故障から本格復帰したばかりのNO8マフィにとって、次のゲームは2014年11月23日の同カード(●24-35)以来のテストマッチ(国同士の真剣勝負)となる。
一昨年からの歩みは、まさに激流だった。
関西大学Bリーグの花園大時代は、土のグラウンドで練習を重ねる日々。来日前、母国トンガでは年代別の代表入りを果たしてきたが、「大学でのプレーを観ていない」からと同国協会にフル代表入りを断られていた。昨季、NTTコムの一員として日本最高峰のトップリーグに挑むや大ブレイク。今度は自らトンガ代表入りを諦め、11月、日本代表として2キャップを獲得(国同士の真剣勝負に出場)した。身長189センチ、体重112キロのボディで素早く駆け上がり、ライバルチームのタックルを次々と跳ね飛ばした。
直後の国内のゲームで、左股関節を脱臼骨折した。「自分の夢や希望が失われたように思いました。しかし…」。すぐに病室を訪れたジャパンのエディー・ジョーンズ ヘッドコーチ(HC)と、W杯での復帰に向けたリハビリを約束。宮崎での代表合宿へも一時的に合流し、驚異的な回復ぶりを示していた。
8月31日。大会登録メンバーに名を連ね、公式会見であいさつする。
「マフィ。NO8です。この時間、ぎりぎりでメンバーに入って、本当にうれしいです。初めてのW杯やから、自分のベストを尽くして、日本のためにがんばりたいです」
シャイな性格からか、インタビューは英語で応じることもある。しかしこの時は、日本語でスピーチした。直後の共同取材時に理由を聞かれると、「大学から勉強していた。いつでも、どこでも日本語で話したい」と即答した。
約9か月ぶりの実戦復帰の舞台は29日、千葉・NTTグラウンドだった。NTTコムの一員として、東京ガスとの練習試合に先発。40分間、プレーした。
ジョーンズHCに同日のウルグアイ代表戦(○40-0/東京・秩父宮ラグビー場)のメンバー入りを打診されていたなか、「ジョージア代表戦のために、ゆっくりウォームアップしていきたい」と自ら要望を出していた。カムバックを果たした感想は「疲れましたよぉ」と「すごく嬉しかったです。楽しかった」だった。
代表復帰までの道のりを述懐する時、NO8マフィは「絶対」を繰り返していた。
「絶対、諦めないって。きょうの発表にも絶対に入ると考えていた。いつもハードワークして、もう1回、ジャパンのジャージィを着る、と。絶対、W杯に出る、と。いつもポジティブに考えた。お父さんも、お母さんも、いつも応援してくれるから」
来たるべき時は、刻一刻と迫る。