セブンズ 2015.04.06

「スタミナ取ったら何も残らない」 セブンズ日本代表・後藤駿弥

「スタミナ取ったら何も残らない」 セブンズ日本代表・後藤駿弥

goto

東京セブンズで藤田慶和をサポートする後藤駿弥(中央右)
(Photo: World Rugby/Martin Seras Lima)

 7人制の各国代表が世界を転戦するHSBCセブンズワールドシリーズ(SWS)では、第7ラウンドにあたる日本大会(東京セブンズ)が4〜5日、東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれた。男子7人制ラグビー日本代表は、2000年4月の日本大会以来となるSWSの8強入りを果たして10ポイントを獲得。17ポイントに到達した。代表の常連である後藤駿弥は、「チームが1つになった」と語った。

 ジャパンは大会2日目、上位8強によるカップトーナメント準々決勝でフィジー代表に5-41で完敗した。その準々決勝の敗者同士によるプレート準決勝では、スコットランドに5-14で屈している。もっともベスト8入りを受け、合計17ポイントに到達。SWSに常時参戦するコアチームにあって相変わらず最下位(15チーム中15位)だが、14位のポルトガルとの差はわずか8となった。以後のスコットランド大会(5月9〜10日)、イングランド大会(同16〜17日)を終えて最下位だった場合は、コアチームから降格する。

「以前よりチームが1つになって、リンクができるようになった。フィジー戦はタックルが決まらなかったけど、ディフェンスの精度も良くなった。チームとして過ごす時間が長くなったと思います。皆で一緒にご飯を食べる時とかでも『ここはこうした方が…』という(競技に関する)話をすることが増えてきた。それも結果につながったと思います」

 こう語る後藤は身長189センチ、体重94キロの25歳。日本最高峰であるトップリーグのホンダに所属し、15人制のLOやFLでプレー。7人制でもスピードと運動量と長い手足を密集戦とランプレーで活かし、今季はここまでSWSの全ツアーに参加している。「リンク」とは、プレーとプレーをつなぐ意識や身体の動きを指す。

 両手を腰の前で揃え、後藤は続ける。坂井克行主将(豊田自動織機)にも「決して上手くはないけど、アグレッシブ」と冗談交じりで称えられるなか、自身は「自分の場合はスタミナを取ったら何も残らない」と言い切るのである。

「自分もリンクできれば、もっとチームに貢献できると思います。走り回って、チームに勢いを与えられたら。キープレーヤーへのサポート、セットプレーでも」

 フランス料理店店主の父・雅司さんは、かつての人気テレビ番組『料理の鉄人』に出演経験がある。その父が講演に出かけたのをきっかけに、三重・四日市農芸高に入学。それが後藤のラグビーとの出会いだった。

 縦横無尽に駆け回るプレースタイルは、関東大学リーグ戦1部(当時)の関東学院大で全国区となった。「いま思えば、あの時のカントーは僕の特徴にあったラグビーをしてくれていた」と振り返る本人は、こんな話もしていた。

――東京セブンズは国内での大舞台でした。

「舞台が大きい、ということは意識をしなかったですけど、とにかく勝ちたいという気持ちでやっていました」

――ナショナルチームの選手としての意識は。

「難しいですね…。ただ、選ばれた以上は常に使命感を持って、国の代表に恥じないプレーができるように心がけています」

(文:向 風見也)

PICK UP