国内 2015.03.31

組織で守って、一気に反攻! 石見智翠館が國學院久我山の猛攻耐える

組織で守って、一気に反攻! 石見智翠館が國學院久我山の猛攻耐える

iwami vs kugayama

國學院久我山の反撃を止めた石見智翠館(撮影:井田新輔)

 高校ラグビー界における春の王者を決める全国選抜大会は31日、埼玉・熊谷ラグビー場で大会2日目があり、予選Bグループ初戦で島根・石見智翠館高(2大会ぶり6回目)が東京・國學院久我山高(2大会連続11回目)を19-12で制した。冬の全国大会にはそれぞれ24回、39回も出場してきた強豪校同士の激突。勝者の粘り強い守備が光った。

「今年の選手は小さく(登録メンバー30名中、身長180センチ以上は2名)、派手さはない。ただ、ディフェンスでは身体を張れて、判断できる選手が多い」とは、白星を挙げた安藤哲治監督だ。

「ディフェンスからアタックに切り替える形を作り始めている」

 指揮官によればこの日は「完成度が低かった」とはいえ、イメージの片鱗は示された。相手ボールの接点へサポート役が絡みつき、國學院久我山高の出足を鈍らせたところ、皆で幅広い守備網を作った。結果、敗者は攻め込んだ先で反則を重ねる。昨季は男子7人制ユース日本代表に選ばれたFB島田悠平も、こう悔やむしかなかった。

「エリア取りをうまく行かないなか、捕まって…」

 12-0というスコアでハーフタイムを迎えた石見智翠館高は、後半7分、理想的なトライを決める。

 一時は自陣22メートルエリア左まで進まれながら、その先の接点へ複数人が突っ込み、ボールを奪う。刹那、逆側まで展開し、次は敵陣の深い位置へキック…。堅守からの手数の少ない攻めで、最後はFB仁熊秀斗がトライラインを駆け抜けた。19-0。一気に試合の流れを引き寄せた。

 FL岡山仙治主将の述懐。

「ターンオーバー(攻守逆転)から、すぐ外。そこがチャンスだと話していた。今日のなかでは一番のトライだったと思います。(接点で)ファイトする場所、捨てる場所を見極めていこうとしていたので、それが良かった」

 以後は好選手の揃う國學院久我山高に12分、22分とインゴール突入を許した。FL岡山主将は「残念だったのは、後半、日差しで体力が低下していたこと」と悔やみつつ、目標は「優勝です」と即答。勇ましい。1チームのみが準々決勝に進める予選グループBでは、4月1日に長崎北陽台(2大会ぶり4回目)、3日に大阪桐蔭(4大会連続4回目)と順にぶつかる。チームは2012年度、準優勝に輝いている。

(文:向 風見也)

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