欧州の歴史的1日 得失点差でアイルランドがシックスネーションズ連覇!
2015年のシックスネーションズ(欧州6か国対抗戦)は、優勝の可能性があったイングランド、アイルランド、ウェールズが3チームとも、現地時間21日におこなわれた最終節で勝って4勝1敗で並び、わずかな得失点差で、アイルランドが逆転優勝に輝いた。2年連続の栄冠獲得である。
前節を終えた時点でトップに立っていたのはイングランドだった。アイルランドとの得失点差は4点、ウェールズには25点差をつけていた。
最終節、最初に試合をおこなったのはウェールズだった。2年ぶりの優勝をあきらめていなかったレッドドラゴンズは、敵地ローマでイタリアを61-20で下す。前半のリードはわずか1点だったが、大型WTBジョージ・ノースのハットトリックを含めて後半だけで7トライの猛攻撃。対イタリア戦史上、最多得点、最大点差の圧勝で、待機するアイルランドとイングランドにプレッシャーをかけた。
21点以上差をつけてスコットランドに勝たなければならなくなったアイルランド。重圧で苦戦するかと思いきや、前半4分にLOポール・オコンネル主将が先制トライを挙げ、ゲームを支配する。なんと敵地マレーフィールドで、最大マージンの歴代トップタイ記録となる30点差をつけ、40-10で首位に躍り出た。
20-10で迎えた後半は、CTBジャラッド・ペインとFLショーン・オブライエンの力走、SOジョナサン・セクストンらのゴールキックで加点し、NO8ジェイミー・ヒースリップが75分(後半35分)に見せたトライセービングタックルも歴史的勝利の要因となった。
最後に登場したイングランドは、地元トゥイッケナムでの試合とはいえ、逆転優勝のためには難敵のフランスに27点以上差をつけて勝たなければならなかった。
開始から2分も経たぬ間に相手のミスからつないでSHベン・ヤングスが先制するも、13分と17分に自分たちの落球からフランスに連続トライを奪われた。それでもイングランドは自陣からでも果敢に攻め、前半に2トライを追加して27-15で折り返す。
しかし、最終戦で意地を見せたいフランスは、取られたら取り返すスピリッツでホームチームを苦しめ、白いジャージーの男たちがハーフ団を中心に躍動して約8万人のサポーターを熱狂させても、大差はつかなかった。65分にフランスがラインアウトモールで5本目のトライを奪ったとき、スコアは48-35、イングランドのリードは13点。
74分、イングランドはゴール前スクラムからのアタックでWTBジャック・ノウェルがゴールラインを越え(チーム7トライ目)、コンバージョンも決まって55-35となる。ミラクル劇まであと7点、1トライ1ゴールに迫ったイングランドは、残り時間約1分での相手ボールスクラムでペナルティを誘い、ゴール前5メートルのラストチャンスに力を振り絞った。が、ラインアウトからバックスも加わってのドライビングモールはインゴールまで押し込むことはできず、イングランドに反則が出て、間もなく試合終了の笛が鳴った。
この結果、トータルの得失点差が63点となったアイルランドが1位。イングランドは同57点で2位、同53点のウェールズは3位フィニッシュとなった。
4位はフランス(2勝3敗)で、5位はイタリア(1勝4敗)。ワールドカップで日本と同組に入るスコットランドは5戦全敗で最下位に終わった。
(Photo: Getty Images)