国内
2015.02.22
「シンプル」に帰したサントリー、TL王者のパナソニック倒す!
サントリーのSOトゥシ・ピシはトライを含む21得点で勝利に貢献(撮影:松村真行)
<日本選手権 準決勝>
サントリー 31-25 パナソニック
(2015年2月22日/大阪・近鉄花園ラグビー場)
2季連続で国内タイトル完全制覇を狙っていたパナソニックだが、トップリーグ(TL)を制した約3週間前と様子が違った。足技でエリアを稼ぐ直前。攻め込んで次の一手を打つ刹那。大抵、パスを乱した。
海外挑戦や故障による主力3人の欠場で、プレーとプレーをつなぐ見えない糸を失ったか。「ピッチで喋れる人がいなかった」とCTB林泰基が言えば、FL西原忠佑はこうだ。
「自分たちに厳しくなれなかった」
1点をリードされていた後半30分頃、パナソニックは敵陣の深い位置で球を失う。守りに回ったNO8ホラニ龍コリニアシゲーム主将、対面に真っ直ぐ突っかかる。
「キックしてくると思ったから…」
ここでボールを持っていたサントリーのCTB松島幸太朗は、しかし、持ち前のバネで駆ける。守備の凸凹を突かれたNO8ホラニゲーム主将は「キレキレ」と呆れるのみだった。
TL4強入りを逃してからのサントリーは、攻撃を紡ぐ糸のありかを再点検していた。簡潔な援護を重ね、PR垣永真之介のトライなどで26-18とリードを広げ、白星を掴んだ。一昨季まで2季連続2冠の大久保直弥監督は、「迷いなく、プレーしている」。
(文:向 風見也)