帝京大が悲願達成! 日本選手権でトップリーグチームのNECから歴史的勝利
6年連続大学日本一の帝京大が、ついにトップリーグチームを倒した。2月8日、東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれた「第52回日本ラグビーフットボール選手権大会」の1回戦で今季トップリーグ10位のNECに挑み、31-25で歓喜の瞬間を迎えた。
若いエネルギーをすべて出し切ってつかんだ勝利だ。
ラインアウトが不安定で、NECの強烈なタックルに落球することもあったが、集中力を切らさず食らいついた。
グリーンロケッツのNO8ニリ・ラトゥに走られて先制されたが、前半10分、敵陣深くで相手ボールラインアウトをスチールし、テンポよく攻めてSO松田力也が抜けインゴールに飛び込んだ。
3分後、NECのSO田村優がキックパスを使ってWTB宮前勇規のトライが生まれたが、帝京大は30分、敵陣22メートルライン内でアタックチャンスとなって、速いリサイクルからNO8河口駿が抜けてゴールラインを割る。コンバージョン成功で同点となった。
その後、互いにPGを1本ずつ決め、17-17でハーフタイム。
後半、帝京の松田がショットを決めれば、NECは田村の足ですぐに追いつく。
帝京大はブレイクダウンでも激しくファイト。そして、67分(後半27分)にPGで再びリードすると、ボールをキープしてプレッシャーをかけ続けた帝京大は75分、敵陣22メートルライン内でキャプテンのSH流大が絶妙なキックでインゴールにボールを転がし、WTB尾崎晟也が押さえて勝利を引き寄せた。
フルタイムまで30秒を切った時点でNECがトライを挙げ、28-25、帝京大のリードはわずか3点になってラストワンプレーがあったものの、大学王者は激しいディフェンスでNECを封じ、最後は松田がPGを決めて歴史的勝利を手にした。
大学生チームが日本選手権でトップリーグチームを破ったのは、2005年度大会で早稲田大がトヨタ自動車を倒して以来。
帝京大の岩出雅之監督は、「1年間、学生が頑張ってきたことができて、スタンドにいる仲間とともに喜べることができて最高です。『今年1年間やってきたことが後半必ず出るから、最後のノーサイドの瞬間を楽しみに、ガンガン出していこう』と。その通りになってくれて本当に嬉しい。学生のレベルがトップリーグのレベルに近づいて、いろんな方のサポートも得て、今日に至ったと思う」と、喜びをかみしめた。
2回戦の相手は、東海大の勇敢なチャレンジを59-12で退けた東芝。帝京大は秩父宮で2月15日、今季トップリーグ3位だったチームに挑む。
大学選手権準優勝の筑波大はサントリーに7-62と大敗したが、試合終了間際に意地を見せ、ボールを奪取してフェイズを重ねたのち、FB山下一の突破とNO8山本浩輝の力走でトライを挙げた。
慶應義塾大は神戸製鋼に7-76で敗れたものの、前半ラスト、敵陣22メートルライン内ラインアウトでのサインプレーでFL廣川翔也が抜け出し、1トライを奪った。
東海大も大量リードされながら必死に食らいつき、64分にピック&ゴーからFL橋本皓がインゴールに飛び込み、終盤にはゴール前スクラムを踏ん張って途中出場のFW村松佑一朗がトライを決めている。
2回戦のもう1試合は、サントリー×神戸製鋼となった。トップリーグ優勝のパナソニックと同2位・ヤマハ発動機は準決勝から参戦する。