国内 2015.01.23

【PO展望】パナソニック、2連覇へ向け淡々 「組織が強み」(ホラニ龍K)

【PO展望】パナソニック、2連覇へ向け淡々 「組織が強み」(ホラニ龍K)

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パナソニックのペネトレーター、NO8ホラニ龍コリニアシ(撮影:松本かおり)

 日本最高峰ラグビートップリーグ(TL)の前年度王者であるパナソニックは、今年度のリーグ戦を2位で通過し、上位4強によるプレーオフトーナメント(PO)に8季連続8回目の出場。25日、東京・秩父宮ラグビー場で同3位の東芝とぶつかる。

 就任1年目のロビー・ディーンズ監督は「いままでと同じように臨む」。リーグ戦での課題を再点検しつつ、短期決戦向けの特別な取り組みは最小限に止めた。

「負けたら終わりとあって、ミスは許されない。ただ、それは選手たちがわかっている。スタッフは変わらずに取り組む」

 シーズンを通して若手に実戦経験を積ませ、クラブ全体の戦術の理解度と遂行力を高めた。スペースへのキックによる陣地獲得、組織的な守備からの攻守逆転を強みとする。オーストラリア代表51キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)のSOベリック・バーンズとともに試合の組み立てを任される日本代表44キャップのSH田中史朗は、「いつも通り、チームのポリシーを考えながらやるだけ」。しばし反撃の契機となるタックルを放つNO8ホラニ龍コリニアシも、こう話していた。

「うちは組織が強み。そのなかで、たまたま僕や(LOダニエル・)ヒーナンの前に、(好タックルを仕掛けるチャンスが)来る」

 対戦相手の東芝には、現在2連敗中。特に昨年12月6日の対戦では13-33と敗戦(東京・駒沢陸上競技場)。日本代表32キャップのHO堀江翔太主将は決意を込めた。

「東芝さんは、僕らに対してすごい情熱を込めてやってくる。負けないようにしたい」

 自分たちの首や服が掴まれるなど、肉弾戦における相手の際どい動きを鑑みてのことだ。南半球最高峰スーパーラグビーの舞台に立った経験から、普段は国内のレフリングのレベル向上を訴えている。しかし、今度の大一番では「ラグビーは、試合が始まったらレフリーがルールになる。(状況によっては)グレーゾーンの部分も仕掛けていきたい」とつぶやく。

 指揮官は「ブレイクダウン(肉弾戦)の前に起こるコンタクトエリア(1対1)が大事になる」とも重ねた。対戦相手の個人的な所作を認識し、それに基づくシミュレーションもおこなっている。「いままでと同じ」にも偽りはなかろうが、「プレーオフは特別」とも続けた。

(文:向 風見也)

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