国内
2015.01.01
【田村一博コラム】 ありがとうライバル。
ああそうだった。
12月29日。花園第3ラグビー場。全国ジュニア大会を見ているときに、ふと思い出した。
激しいタックルを見舞ったある選手が頭部を強打し、その場で倒れた。レフリーやドクターが駆け寄り、しばらく試合が止まる。そのとき、一緒に観戦していた先輩がつぶやいた。
「僕たちの頃はこういうとき、必ず相手チームのキャプテンが倒れた選手のところに近づいて、『大丈夫ですか』と気遣い、声をかけていたんだよね」
それが済んでから自チームの仲間のところへ戻り、話すべきことがあれば何かを話すのが当たり前だった。その言葉を聞いて、ラグビーの昔の光景を思い出した。そんな光景があるから、ラグビーが好きになった。