国内 2015.01.01

御所実が慶應義塾に劇的勝利! 國學院久我山も熱闘制し準々決勝へ

御所実が慶應義塾に劇的勝利! 國學院久我山も熱闘制し準々決勝へ

Keio

歴史に刻むべき名勝負となった御所実×慶應義塾(撮影:早浪章弘)

 2015年1月1日、花園。優勝候補同士である御所実(奈良)×慶應義塾(神奈川)の3回戦は、レフリーがファイナルホイッスルを吹くまで勝利の行方はわからない、見る者も手に汗握る死闘となった。19-14で決着。歓喜の抱擁は、御所実の選手たちだった。
 7-7で迎えた後半21分、御所実が勝ち越す。ゴール前ラインアウトからモールで前進したあと、先制トライを挙げていたキャプテンのSH吉川浩貴が再びゴールラインを越えた。コンバージョンは外れ、12-7。そして、残り時間は多くない終盤、慶應義塾がモールで押し込む。が、御所実は前半から発揮していた粘り強いディフェンスでまたも相手にグラウンディングを許さなかった。
 それでも、ロスタイムに突入して、ドラマは続いた。慶應は死力を振り絞って突進し、PR竹内翼が値千金のトライを奪った。ゴール成功で逆転。直後、レフリーに注目が集まったが、時間はまだ残っていて、長い笛は鳴らなかった。プレー再開。リスタートのボールをキープして時間が過ぎるのを待った慶應だが、なんと御所実がブレイクダウンでターンオーバーし、ラストチャンスを得る。御所実はモールで敵陣22メートルライン内に入り、一旦はもらったアドバンテージが解消するくらい攻め続けた。そして、ゴールラインに迫ったモールから主将のSH吉川が持ち出してWTB竹山晃暉につなぎ、ミラクル的な大逆転のトライが生まれたのだった。

 大阪桐蔭と國學院久我山のBシード対決も熱闘となり、久我山がロスタイムにWTB佐藤航大のトライで逆転勝ちした。取られたら取り返す接戦。2点を追う大阪桐蔭が後半26分、連続攻撃でゴールに迫り、CTB福島祐司が飛び込んでゲームをひっくり返したが、ドラマは最後の最後にあった。國學院久我山が残り1分を切ってから20フェイズを重ね、ゴールライン目前でのFW突進から一転、右へBK展開、CTB豊田康平からのロングパスを受けたWTB佐藤がディフェンダーを振り切って右隅にトライし、劇的な幕切れとなった。

 同じく、Bシード校の激突となった尾道(広島)×流経大柏(千葉)の試合も最後までもつれ、19-12で笑ったのは尾道だった。
 12点を追う流経大柏が後半早々に1トライ1ゴールを返したあと、同4分に同点トライを挙げる。敵陣右でのターンオーバーから左へ展開してSO平井継之助が防御ラインの裏へキック、仲間がボールをキープし、FL西薗翔人がインゴールにねじ込んだ。
 しかし決勝点を挙げたのは尾道。後半24分、ゴール前でモールを形成してから前進し、最後はFB和仁原和輝が突っ込み、勝ち越した。尾道は残り時間のほとんどをFWでボールキープし、逃げ切った。

 春の全国選抜大会でベスト8だった大阪朝鮮は、36-7で茗溪学園(茨城)を下した。
 FWの突進で先制した大阪朝鮮は、前半25分、SO呉洸太のインターセプトトライでリードを広げた。後半2分にも、ゴール前のモールからFL申賢志が持ち出して飛び込み、追加点。その後1トライを許した大阪朝鮮だったが、激しいタックルで相手に流れを渡さず、終盤に突き放して準々決勝進出を決めた。

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