慶應が準決勝進出で帝京と対戦へ! 東海、筑波も4強入り。早明流経は涙
第51回全国大学ラグビー選手権大会は27日、セカンドステージ最終節の全8試合が各地でおこなわれ、前節でプールA1位を決めていた前王者・帝京大に続き、東海大、筑波大、慶應義塾大がファイナルステージ進出を決めた。
関東大学リーグ戦1部2位の東海大はプールDの1位をかけ、東京・秩父宮ラグビー場で早稲田大(関東大学対抗戦A 2位)と全勝対決をおこない、14−10で逆転勝ちした。
東海大は前半7分、ラインアウトからモールで前進したあとLOテトゥヒ・ロバーツが持ち出してゴールラインに迫り、フォローしたFL藤田貴大が先制トライを挙げる。30分、早稲田のCTB小倉順平に5点を奪われ、60分(後半20分)にはWTB荻野岳志にインゴール右隅に飛び込まれ相手にリードを許したが、東海大は堅守で食らいつき、終盤に好機を迎えた。7−10、3点を追う東海大は73分、LOダラス・タタナがLOロバーツとのコンビネーションで穴をあけ、突進してゴール前で左のWTB石井魁につなぎ、逆転トライ。早稲田はラストチャンスで敵陣22メートルライン近くまで迫ったものの、FB藤田慶和に青いジャージーのCTB井波健太郎が鋭く突き刺さり、万策尽きた。
東海大は2年ぶりの4強入り。早稲田大は3年ぶりに準決勝進出を逃した。
今季の関東大学対抗戦Aでは5位と苦しんだ筑波大だが、対抗戦3位の明治大を43−7と圧倒して全勝対決を制し、プールCの1位を決めた。4年連続の準決勝進出となる。
東京・江戸川区陸上競技場でおこなわれたこの試合。筑波大は負傷したプレーメーカーの山沢拓也と主将の松下真七郎が欠場となったが、戦列復帰した日本代表のWTB福岡堅樹らが躍動した。
前半7分に1年生のCTB鈴木啓太が抜けて先制した筑波。14分に相手に1トライを返されたが、それ以降は完全に主導権を握った。20分、PR橋本大吾が力強く突進して勝ち越す。その3分後にはターンオーバーからWTB福岡のビッグゲインで活気づき、SO亀山宏大のトライでリードを広げた。59分には頑丈なCTB鈴木が再びファイブポインターとなり、75分にはブレイクダウンで圧倒してPR橋下も自身2トライ目を挙げる。そして最後は、23番をつけた元日本代表のWTB竹中祥が右タッチライン沿いを突破して豪快にフィニッシュし、快勝で4強入りとなった。
そして江戸川区陸上競技場の2試合目。対抗戦4位の慶應義塾大が関東大学リーグ戦優勝チームの流通経済大とプールB1位をかけて激突し、27−24で競り勝った。2年連続の準決勝進出だ。
慶應は前半27分までに3連続トライ。前半5分にラインアウトモールで先制すると、19分にはラインアウトから今度はサインプレーが決まってHO神谷哲平がトライを挙げた。27分には運動量豊富な身長166センチのFL廣川翔也がキックをチャージし、CTB石橋拓也につないで追加点。後半も先にスコアを動かしたのは慶應で、52分、激しくプレッシャーをかけてボールを奪い返し、CTB川原健太朗が約70メートルを独走した。
24−7。このまま慶應ペースで終わるかに思われた。が、流経大がリーグ戦王者の意地を見せる。57分、連続のサポートプレーが実を結び、64分には左タッチライン沿いを粘り強くつないでNO8ジョージ・リサレがトライを奪った。勢いがついた流経大はリスタート直後、FB桑江健一郎のゲインで敵陣深くに入り、テンポよく前進したあと、SO東郷太朗丸の絶妙なキックパスを途中出場のCTBジョセファ・リリダムが確保してインゴールに持ち込み、同点とする。
24−24。ラスト10分の戦いへ。そして、勝ち越し点を奪ったのは慶應だった。75分に相手が反則を犯し、SO矢川智基がPG成功。引き分けでも総勝点差で上回る流経大は、残り1分を切って自陣でのスクラムから果敢に攻め上がり、敵陣22メートルラインに近づく。ホーンが鳴ったあともフェイズを重ねた。が、SO東郷がギャンブルに出てキックを使い、裏目に。慌てずボールを確保した慶應のFB下川桂嗣が外に蹴り出し、直後、激闘の終わりを告げる笛が鳴った。
セカンドステージを最高成績で終えたのは総勝点21の帝京大で、2位通過は同19の東海大。筑波大と慶大は総勝点18で並んだが、得失点差で筑波が3位、慶應が4位となったため、1月2日に秩父宮でおこなわれる準決勝の対戦カードは、帝京大×慶應義塾大、東海大×筑波大に決まった。
※ 勝ち=5点、引き分け=2点、敗戦=0点
※ BPはボーナスポイント。4トライ以上獲得で1点、7点差以内の敗戦でも1点が与えられる。
※ APはアドバンテージポイント。地域所属リーグ戦で1位だったチームには3点、2位には2点、3位には1点がそれぞれ加算される。