コラム
2014.11.06
マオリ魂の詰まった 「ティマタンガ」を注視せよ。
11月8日のジャパンXV対マオリ・オールブラックスまで、もう少し。待ち遠しいなあ。
試合自体も楽しみだけど、もうひとつの楽しみが、漆黒のジャージーの男たちが試合前に演じるハカだ。彼らのものは「Timatanga」(ティマタンガ)と呼ばれ、神戸のファンも迫力満点のこれに沸いた。現在のスタイルのものは2001年のチームが初めておこない、当時チームの「カウマトゥア」(文化顧問)に就いていたフェトゥ・ティピアイ氏が考案した。
このティマタンガ、迫力が凄いだけでなく、いくつものこだわりがあるから注意して見たらおもしろい。
スタンド上部に陣取るファンには、その全体像を見てほしい。スピア(槍)を形作っているはずだ。前から見れば、集団のシルエットは屋根のように見える。そのため大柄な選手が真ん中に立ち、外側へなだらかに下がっている(外側ほど小柄な選手)。そして、いちばん外には屈強な男たち。自分たちの仲間を守る、強い意志を表わしている。
毎ツアー、ティマタンガの練習は毎日のようにくり返すという。マオリの歴史や文化、歌についても、「それらにはいろんな教えが詰まっているから、それを学ぶためにも全員でくり返す」(昨季のツアーに参加したティム・ベイトマン/コカ・コーラ)そうだ。
目を大きく開き、舌を出すお馴染みのポーズは「プカナ」と呼ばれる。そこには体の中にある煮えたぎる思い、情熱を外に出すという意味がある。
(写真:来日したマオリ・オールブラックスの「ティマタンガ」/撮影:松本かおり)