将来は日本のために!? 女子7人制NZ代表、フリアナの思い叶うか。
パートナーのデレック・カーペンターと。(撮影/松本かおり)
ニュージーランド(NZ)政府主催の教育事業「Game On English」。日本の若者に英語の集中学習プログラムと専門的なスポーツトレーニングを提供するプロジェクトの第1回帰国報告会がおこなわれた9月11日、同会場には女子NZ代表、ブラックファーンズの一員であり、同7人制代表で主将を務めるフリアナ・マニュエルの姿があった。
同選手は先月おこなわれた女子ワールドカップ(フランスで開催)にも出場。しかしアメリカ戦でのトライ後、相手選手の体重が左にかかった。腓骨を骨折し、自身は大会途中でチームを離脱。ブラックファーンズは5位に終わった(優勝はイングランド)。
漆黒のジャージーを着て世界一になったのは昨年のセブンズ・ワールドカップ(ロシア開催)。同チームの主将を務めたフリアナの来日理由は、パートナーであるトヨタ自動車ヴェルブリッツ、デレック・カーペンターのもとを訪れているからだ。
「ずーっと休みなくプレーしてきていたので、今回のケガは、いい休養だと思っています。(2016年の)オリンピックの前でよかった(笑)」
来年早くの復帰に向け、いまは休養とリハビリの期間。愛する人の過ごす日本で、リラックスした日々を送っている途中でのイベント参加だった。
母、ライザ・ミヒヌイもブラックファーンズで、史上初めての母娘NZ代表である彼女は、フルタイムのセブンズ・プロ契約選手になって2年になる。オリンピックに向けて強化を進めるNZ。「当時は14人だったプロ契約選手は、現在は20人になった」。年間約150日をチームとしての活動に費やしている。個人でのトレーニングを加えれば、さらにグラウンドやジムに立つ日は増える。現在28歳。「いい休養になる」の言葉は本音でもある。
ニュージーランドでは、ネットボールが女子にいちばん人気のある競技だ。スポーツ万能の彼女もネットボールをはじめ、フィールドホッケーやタッチラグビー、サーフィン、スキーなどを経験。ラグビーを始めたのは、高校生(マヌレワ・ハイスクール)になってからだった。
「オリンピック競技になって、セブンズの人気はNZでも高まっています。若い女子のプレーヤーもどんどん増え、ネットボールや他競技から転向してくる選手も増えてきた。日本も同じ? 嬉しいですね(笑)」
リオ五輪への思いは強い。「(五輪での)金メダルはベスト・オブ・ベスト」と最高峰大会での頂点を狙うアスリートは、「夢を叶え、その頃まだ彼が日本にいたら、この国のセブンズの発展に協力したいわ(笑)」と言った。
彼女のため、日本ラグビーのためにも、デレックの活躍を祈る!