勝負は枠組みの外でＮＴＴコム、宗像サニックスとの初戦制す

　SOエルトン・ヤンチースらが右から左へ展開、さらに右へ戻し空間を突く。WTBが端の密集の脇へ突っ込んだ逆の区画に複数人が待つ…。ロブ・ペニー新ヘッドコーチのもと、前年度13位のNTTコムの枠組みは整ってはいた。前半は10-3と僅かなリードに終わり、新指揮官は後に「悪くない。ハードワークを図り、緊張があり、ミスがあった」。
　2季ぶりにトップリーグへ復帰の宗像サニックス、藤井雄一郎監督は「スクラムでやられ、CTBでミス。解消すればボールは回る」。外国人枠のうち1つを「やられた」一角のPRジェイコブ・エリソンからCTBドウェイン・スウィーニーに渡し、後半を迎える。そして4点を追う8分、中盤での短いキックを皮切りに、後半6分から出たFL濱里祐介副将のランも介し、宗像サニックスが攻め上がる。最後はCTBスウィーニーが人垣を突っ切る。枠組み以上に人力を利し、10-11と勝ち越した。
　勝負はやはり枠組みの外で決まる。続く15分、NTTコムが再逆転。WTB鶴田諒ゲーム主将が自陣ゴール前からのロングキックに追いつく。最後まで人力を信じた敗軍の将も、「攻めて行って急に点を取られ…」。