パナソニック霜村は今季限りで引退 ラストシーズンに「あんまり意識は…」
パナソニックの前主将で日本代表6キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)のCTB霜村誠一は今季限りで現役を引退する。来春から群馬・桐生一高の教員となり、ラグビー部の指導にも携わる予定だ。
日本最高峰トップリーグ(TL)の開幕を約2週間後に控えた9日、群馬・パナソニックグラウンドでトヨタ自動車との練習試合に先発。後半途中までプレーし、32-29での勝利をベンチで見届けた。反則がかさんだ試合内容を「点数では勝っていたけど、ラグビー的には負けていた。ブレイクダウン(ボール争奪局面)でのペナルティが多かった。(レフリングへの対応などが)上手くいっていなかったからなのか、疲れからそういうことをしてしまったのか…」と反省していた。
引退の件については、チームメイトなどへの正式発表は「まだ」としながら「よく知ってますね」と否定はしなかった。
「知っている人は知っている、知らない人は知らない、みたいな」
東京農大二高と関東学院大を経て、2004年にパナソニックの前身である三洋電機とプロ契約を結んだ。高校時代から「何でかはわからないけど」教員になりたいと思っていた。主将となった2009年度からトレーニングの傍ら大東大へ通い、教員免許を取得。出身地である桐生市の関係者に「地元へ残って欲しい」と後押しされたこともあり、来春から桐生一高で勤務できるという話を受けた。「高校なんて、(そう簡単には)入れないじゃないですか。ましてや母校でも何でもないし」。ここが教壇に立つ最良の時期と捉えたCTB霜村は、今年度限りでスパイクを脱ぐこととなった。
「いろいろな経験をしてきたことを伝えながら、子どもたちの人格形成のお手伝いができたら。僕も若いから(今年9月に33歳)、最初のうちはお兄さんくらいの感じで」
今年度のTLは22日にスタート。昨季王者のパナソニックは東京・秩父宮ラグビー場で同3位の東芝と対戦する。ラストシーズンに挑む意気込みを聞かれたCTB霜村は、「それ、よく言われるんですけどあまり意識していなくて」と話していた。
「これからシーズンが始まる、というだけで、あまり先のことは考えていないです。たまに1人でボーっとしている時とかに『もう終わるんだ』と思うと寂しいくらいで。それよりも目の前の自分のこと、TLのことの方がいろいろと(頭のなかに)出てきます」