国内 2014.07.29

帝京大LO小瀧 ジャパン候補合宿での「全否定」から一歩踏み出す

帝京大LO小瀧 ジャパン候補合宿での「全否定」から一歩踏み出す

kotaki

小瀧尚弘(撮影:BBM)

 大学選手権5連覇中の帝京大で4年のLO小瀧尚弘は14〜18日、長野・菅平での日本代表合宿に育成選手として参加。元イングランド代表主将のスティーブ・ボーズウィック コーチなどから薫陶を受けた。

 身長194センチ、体重110キロの体躯と走力、肉弾戦での献身ぶりを持ち味として帝京大では1年時からレギュラー格。新人にキャリアを積ませる岩出雅之監督の「投資」という考え方のもと、たくましさを身につけた。今春、日本代表に初選出されるも、故障のため参加は辞退していた。今回が初参加となった合宿を、嬉々として振り返った。

「周りは皆、すごい人ばかり。自分は失敗ばかりだったんですけど、その度にいろいろと教えてもらって、勉強になりました」

 ボースヴィック コーチからラインアウトについて指導を受けた。「自分が正しいと思っていたことが全然、ダメで」。例えば、相手との競り合いを避けるべくジャンプする直前に立ち位置を変える「ムーブ」の動作が「遅い」と言われた。跳躍する地点まで小さく跳ねて移動する動作が「大きすぎる」ようで、素早いモーションを身につけなければならなかった。

「でも、それを変えてからは、ジャパンの人たちとのラインアウトの(競り合う)タイミングもすごく合ってきた」

 国内最多の85キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)を誇るLO大野均とも、初めて同じチームの一員として練習できた。鹿児島実業高時代に出会ってかねてから尊敬するLO大野には、スクラムの際の足の位置やバインドの仕方、チームの戦略に即した動きなどを細かく教えられたという。

「フィットネス、ブレイクダウンでの激しさ、リーダーシップ…。どれを取ってもすごく勉強になります」

 帝京大は8月10〜26日、菅平で合宿をおこなう。国内最高級のレベルに身を置いたLO小瀧は、「最上級学年として、自分から引っ張っていけるようにしたい」と決意を込める。

(文:向 風見也)

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