海外 2014.07.20

田中&ハイランダーズ、終戦。 チーフスもプレーオフ敗退で3連覇ならず

田中&ハイランダーズ、終戦。 チーフスもプレーオフ敗退で3連覇ならず

tanaka

ハイランダーズの誇り高きサムライ。田中史朗はリザーブとしての仕事をきっちりこなし、
チームの12年ぶりのプレーオフ出場に貢献したが、最後の笛はベンチで聞いた
(撮影:Yasu Takahashi)

 2014年の南半球最強クラブを決めるスーパーラグビーは、19日からプレーオフが始まり、日本代表(パナソニック)のSH田中史朗が所属するハイランダーズ(ニュージーランド)は南アフリカ・カンファレンス王者のシャークスに27-31で敗れ、ノックアウトステージから姿を消した。もう1試合は、リーグ戦4位のブランビーズ(オーストラリア)が3連覇を目指したリーグ戦5位のチーフス(ニュージーランド)を32-30で下し、準決勝に駒を進めた。

 シャークスの本拠地ダーバンに乗り込んだハイランダーズ。序盤は相手が主導権を握り、追う立場となったが、CTBマラカイ・フェキトアの力強い50メートルランで点差を縮めると、前半ラストには自陣深くからの果敢なチームアタックで逆転トライを奪い、17-13で折り返した。

 後半、ハイランダーズがPGで3点を追加したが、初優勝を目指すシャークスは強力FWが流れを呼び戻す。52分、敵陣深くでの相手ボールスクラムを押し崩し、インゴールに転がったボールをシャークス主将のHOビスマルク・デュプレッシーが押さえた。ゴール成功で20-20の同点。

 55分、シャークスは南ア屈指のスピードランナーである途中出場のWTBトンデライ・チャヴァンガが左タッチライン沿いを約45メートル走り切り、勝ち越し点を挙げる。しかしその7分後、ハイランダーズはキックレシーブからのカウンターでWTBパトリック・オズボーンが突破し、オフロードでCTBフィル・バーリーにつないでトライ。コンバージョンも決まり、27-25とハイランダーズがリードした。

 しかし、73分にシャークスはまたもスクラムでターンオーバーに成功。SOフランソワ・ステインがPGを確実に決め、再逆転となる。激闘の後半にもホームチームはポストを狙って3点を追加し、31-27で試合終了の笛が鳴った。

 田中は残念ながら出番なし。ブレイブハートを持って南半球最高峰ラグビーに挑戦したこの野武士は、来季もハイランダーズでプレーするかどうかは不明だが、彼にとっての2014年スーパーラグビーは終わった。

 一方、オーストラリアのキャンベラでおこなわれたプレーオフ1回戦のもう1試合は、前チャンピオンのチーフスが19点ビハインドから見事なカムバックを見せたが、リベンジに燃えていた前年度準優勝のブランビーズがゴールキック1本差で激闘を制した。

 22-3から、CTBバンディー・アキのトライ(ゴール成功)とPGで点差を縮めたチーフスは、後半早々に3点を取り返されたものの、相手のWTBヘンリー・スペイトが一時退場している間に連続アタックで2トライを奪い、25-25の同点に追いついた。

 しかし、10年ぶり3回目の栄冠獲得を狙うブランビーズが60分、ラインアウトからモールで押し込み再びリードする。ゴール成功で7点差。
 チーフスは76分、ゴール前中央のスクラムから右に展開し、カーディフ・ブルーズ(ウェールズ)への移籍が噂されている途中出場のFBガレス・アンスコムがインゴール右隅に飛び込んで5点を返したが、SOアーロン・クルーデンのコンバージョンはわずかに外れ、結局、32-30で戦いは終わった。

 準決勝は2試合とも7月26日におこなわれる。ブランビーズはシドニーでリーグ戦1位のワラターズに挑み、シャークスはクライストチャーチでニュージーランド・カンファレンス首位(リーグ戦総合2位)のクルセイダーズと対戦する。

PICK UP