国内 2014.07.01

「もうひとつの花園」から大学日本一へ 東海大LO堺、ラストイヤーに燃える

「もうひとつの花園」から大学日本一へ 東海大LO堺、ラストイヤーに燃える

sakai

関東大学オールスターゲームでプレーする堺裕二(撮影:松本かおり)

 29日、東京・秩父宮ラグビー場で関東大学オールスターゲームがおこなわれた。関東大学対抗戦と関東大学リーグ戦の選抜チームによる激突にあって、リーグ戦選抜のFWリーダーだったのは東海大4年のLO堺裕二だ。高校時代に全国区でのプレー経験は皆無も、いまやチームの核となりつつある。

 オールスターゲームでは、周囲への声かけと接点での献身的な姿勢を示した。21-17での勝利に貢献し、「どの場面でも積極的にコミュニケーションを図っていました」と振り返った。

「対抗戦のチームには(大学選手権5連覇中の帝京大のメンバーなど)個人的に強い人が多い。勝てて嬉しいですね。(勝利の要因は)コミュニケーション。前日練習でディフェンスのキーコール(連携を図るための共通言語)を決めていたので」

 福岡県立中間高出身。もともと「うちの高校は花園とかも観ていなくて、東海大仰星(大阪の強豪校の名前)もよく知らなかった」という。しかし2011年1月8日、大阪・近鉄花園ラグビー場での一戦で、その後の道を切り開く。単独では同地区予選に参加できないチームの選手によるU18合同チーム東西対抗戦、通称「もうひとつの花園」に、西軍のLOとして出場したのだ。この日の活躍で、東海大入学への道を切り開いたのだった。

「いい経験をさせてもらえました。あれでいろいろな人に自分のラグビーを知ってもらえて、もうひとつ上のステージに上がれた」

 大学では「周りは花園に出ている人ばかり」とあって、「身体のでかさ、スキルが、自分の高校よりはるかに上」と感じた。それでも「頑張ってついていきました。がむしゃらに」。2年次から徐々に出番を得て、今季の関東大学春季大会グループBでは全試合に出場した。同級生で東海大仰星高のエースだったWTB小原政佑には「一言でいえばナチュラル」と、肉弾戦での予測し難い動きを信頼されている。

 チームは一昨季は大学選手権4強も、前年度はリーグ戦1部で4位と低迷。選手権ではセカンドステージ敗退に終わっており、今季は捲土重来を期す。そんななか、身長184センチ、体重100キロでFL、NO8など複数のポジションをこなすLO堺は、「絶対、負けたくないですね、誰にも」と前を向く。

「(チームは)いい雰囲気。練習のなかで皆が(意見を)言い合えるようになった。目標…そりゃ、日本一です」

(文:向 風見也)

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