海外 2014.06.01

プレミアシップ決勝は100分間の激闘 ノーサンプトンが劇的トライで初優勝

プレミアシップ決勝は100分間の激闘 ノーサンプトンが劇的トライで初優勝

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悲願達成で歓喜のノーサンプトン・セインツ(撮影:Akio Hayakawa/Photoraid)

 イングランドのチャンピオンを決める戦いは、延長にもつれる激闘となり、最後の最後にドラマが待っていた。プレミアシップ2013-2014。5月31日にラグビーの聖地トゥイッケナム・スタジアムでプレーオフ決勝がおこなわれ、ノーサンプトン・セインツが24-20でサラセンズに逆転勝ちし、初優勝を遂げた。

 一週間前にハイネケンカップ(欧州クラブ最高峰大会)の決勝で敗れたサラセンズは、3季ぶりのプレミアシップ制覇に気持ちを切り替えて集中し、序盤の主導権を握った。SOオーウェン・ファレルのペナルティゴール(PG)2本で6点リードする。
 しかしノーサンプトンは31分、ラインアウトからモールで前進後、左への素早い展開でFBベン・フォーデンがトライ。コンバージョンも決まり、7-6で前半は終わった。

 後半もサラセンズがPGで先に点を取ったが、ノーサンプトンは58分にCTBジョージ・ピシが再逆転トライを奪う。WTBジョージ・ノースのビッグゲインで敵陣22メートルライン内に入り、連続アタック、SOステーブン・マイラーがグラバーキックでインゴールにボールを転がし、CTBピシが押さえた。14-9。

 61分、サラセンズはFBアレックス・グッドのパスを受けたWTBクリス・ワイルズが左タッチライン沿いを突破し、内でサポートについていたSOファレルにつないでトライを挙げた、かに思われた。しかし、ビデオチェックでグッドのパスはフォワードパスと判定され、ノートライ。不運にも、サラセンズの司令塔ファレルは“幻のトライ”のあと喜びを表現しすぎて足を痛め、ベンチへ退くこととなる。

 ムードが悪くなりかけたサラセンズだが、72分、テンポのよい連続攻撃からCTBマルセロ・ボッシュがトライを挙げ、同点。途中出場でファレルの代わりにキッカー役を任されたSOチャーリー・ホジソンのゴールキックはポストに当たり、失敗。14-14で、プレミアシップ決勝では史上初の延長戦に突入した。

 10分ハーフの延長戦。互いにPGを1本ずつ取り合い、17-17でラスト10分間の戦いに入る。そして、延長後半2分、サラセンズのホジソンが貴重な3点を追加。その後サラセンズは、この試合を最後に現役を引退し、日本代表のFWコーチとなる主将のLOスティーブ・ボーズウィックが、相手ボールラインアウトをスチールするなどしてピンチを脱出し、栄光へのカウントダウンが始まった。このまま終われば、サラセンズの優勝……。

 だが、ノーサンプトンが最後に死力を振り絞った。3点を追う男たちはラスト3分間を敵陣深くで攻め続ける。そして、プレーが途切れれば試合終了となる最後の最後に、ゴールポスト下に押し込んだ。トライか、否か。レフリーはビデオチェックを要求した。結果、途中出場PRアレックス・ウォーラーのトライが認められ、イングランドラグビー史に残る逆転劇でグランドファイナルは幕を閉じた。

 ノーサンプトンは今季、アムリンチャレンジカップ(ハイネケンカップに次ぐ欧州大会)も制しており、2冠獲得となった。

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逃げるサラセンズのNO8ビリー・ヴニポラ、食らいつくセインツ
(撮影:Akio Hayakawa/Photoraid)

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