国内 2013.10.26

ハイランダーズSH田中がパナ合流即出場! NZ戦へは「怖さ」を吐露

ハイランダーズSH田中がパナ合流即出場! NZ戦へは「怖さ」を吐露


tanaka


トップリーグに帰ってきた田中史朗
(撮影:KOICHIRO NOMOTO)


 


 


 南半球最高峰であるスーパーラグビーのハイランダーズでプレーするSH田中史朗は、26日、国内の所属先であるパナソニックの公式戦に今季初めて出場した。今月までニュージーランド(NZ)の地域代表選手権、ITMカップにオタゴ代表として参戦。パナソニックには今週途中から合流したばかりだった。



 群馬・太田市運動公園陸上競技場であった、リコーとの日本最高峰トップリーグ(TL)の第7節で後半開始から登場。中嶋則文監督によれば、「(TLの)後半戦に向け、(SOベリック・)バーンズと少しでも(連携を)合わせる必要があったから」である。ハーフタイム時はわずか4点リードも徐々に点差を広げ、結局41−18で快勝した。本人は「僕自身、まだチームを完全に理解はできていない部分があった」と反省したが、この日2トライのWTB山田章仁には「チームをアグレッシブに引っ張ってくれた」と評された。



 決して必須ではなかったITMカップ参戦を決めたのは、子どもたちのために「海外でプレーする日本人ラグビー選手が存在する状態」を常に維持したかったため。そんなSH田中は試合後、ファンの前で日本ラグビー界へ提言した。



「日本のラグビーはまだまだ世界には追いついていないなと思いました。レフリングには納得できない部分があります。協会、チームがコミュニケーションを取って、日本全体でラグビーのレベルを上げたい」 



 日本代表としては11月2日、東京・秩父宮ラグビー場でNZ代表と対戦する。「正直、怖い」。昨冬から今夏にかけ、NZのオタゴを本拠地とするスーパーラグビーのクラブにいた。王国での肉弾戦の激しさ、プレーの高さを皮膚感覚で知っただけに、危機感をあらわにするのだ。しかし、生来の負けん気の強さも覗かせる。



「1人ひとりが自分と同じポジションの選手に勝てば、勝てる」


 
 エディー・ジョーンズ ヘッドコーチの脳梗塞による離脱が決まっている。そんななか、「(指揮官不在により)緩みが出てくるのが怖い。『怒られるから、やる』というのは日本の弱さでもあるので。ただ、日本には『エディーのために』と思う選手も多い。エディーのためにやりたい」と意気込むSH田中。27日から直前合宿に合流予定だ。「怖さ」のあるビッグゲームに向け、綿密な準備を施す。


(文・向風見也)


 

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