SOはガットランド。福岡へ! NZ高校選手権でハミルトン・ボーイズ優勝。
優勝のハミルトン・ボーイズ高。ファーストフィフティーンへ、(下部リーグの)仲間が祝福のハカ
(撮影/西尾建)
9月14日、NZ高校選手権(Rand Rover first XV Rugby)の決勝がハミルトン・ボーイズ・ハイスクール(HBHS)で行われた。昨年の覇者セント・ケンティガン(Saint Kentigern =St. Kent’s)と2008年、2009年連覇のHBHSが対戦した。
2年連続の優勝を目指すSt. Kent’sはオークランドの地区予選から危なげなく勝ち進み、準決勝でもオタゴボーイズ高を27-7と大差で下して公式戦の連勝を52にして決勝にコマを進めた。一方のHBHSは、準決勝のウェリントン・カレッジに28-16と苦戦した末の決勝進出。4年ぶりの優勝を狙った。
試合は、開始直後からSt. Kent’sペース。風上に立った前半、SOラエアのキックで試合を進める。25分にPGで先制すると、雨が急に強くなった33分にはHBHSのキック処理のミスからSt. Kent’sが左へ展開。最後はCTBフィアネがディフェンダー2人をかわしてトライを奪い、コンバージョンも決まって10-0となった。一方のHBHSはロスタイムに1PGを返したのみで10-3で前半は終了した。
後半は、開始直後にHBHSが1PGを返す。しかしその後は、St. Kent’sが敵陣で長い時間攻撃を続けた。しかしHBHSも譲らない。両CTBを中心に、懸命の低いタックルでトライを阻止し続けた。
この日の勝敗を分けた場面は、後半29分に巡ってきた。10-6でSt. Kent’sが4点リードの場面。HBHSはフェーズを重ね、FWがゴール前に迫る。そこで得たぺナルティに対しキャプテンのSHリィビエンは、トライを狙わず冷静にショットを選択した。PG成功で10-9。そして直後の後半29分、ゴール前ラックからSOガットランドがDGを決める。逆転。最後はSt. Kent’sの猛攻をしのいでフルタイムを迎えた。
試合終了と同時に、応援に来ていたHBHSの学生たちがグラウンドへなだれ込んだ。優勝した選手と抱き合う。優勝を祝う。歓喜の輪の外では、敗れたSt. Kent’sの選手たちが呆然と立ちつくしていた。
この日のプレーヤー・オブ・ザ・デーに選ばれたのは、3PG、1DGと、HBHSの全得点を挙げたSOガットランド(父親はHBHSのOBでブリティッシュ&アイルランド・ライオンズ監督、ウエールズ監督のウォーレン・ガットランド監督)。大会ベスト4から選ばれる最優秀選手には、小柄ながら高いワークレートが評価されたHOニームスが選ばれた。
HBHSは2011年大会以来3大会ぶりに来年春、福岡で開催されるワールドユース大会に出場する。日本でも未来のチーフス、オールブラックス選手の活躍に期待したい。
(文・西尾建/ハミルトン在住)
多くの生徒が見守る中での試合。試合終了後は応援の若者たちがなだれ込んだ。
(撮影/西尾建)