豪NSW州「シュート・シールド」でシドニー・ユニ連覇。名主将笑顔で引退。
優勝のシドニー・ユニ・新たな連覇に勝利の雄叫び。
(撮影/YASU TAKAHASHI)
オーストラリアはNSW州のクラブラグビー選手権、シュート・シールドの決勝戦が9月14日に行われた。
頂上で対戦したのは9年連続決勝進出のシドニー・ユニと、レギュラーシーズン1位のイーストウッド。決勝戦でのこの組み合わせは、一昨年(2011年) 以来2年ぶり。その時は大方の予想を覆し、イーストウッドがシドニー・ユニの7連覇を阻む大勝利だった。しかし昨年は、シドニー・ユニが王座奪還に成功。今年はまた、連覇のかかるシーズンだった。
試合は、開始早々からシドニー・ユニのペースで始まった。SOバーナード・フォーリー(ワラタス/ワラビーズスコッド)は先制PGを決めると、巧みなゲームメイクと好判断からWTBラクラン・ミッチェル(レベルズ)のトライも引き出す(コンバージョンも成功)。開始10分で10-0とリードした。
その後イーストウッドもPGで追い上げるが、シドニー・ユニは攻撃の手を緩めない。トム・キングストン(ワラタス→2014レベルズ)のトライ(コンバージョンも)で17-6として前半を終えると、後半も猛攻。先にPGで加点した後、トム・イングリッシュ(レベルズ)の2トライを含む5トライを加え、終わってみれば51-6の圧勝、新たに連覇を達成した。
シドニー・ユニにとって、今年は創設150周年のアニバーサリーイヤー。それに加えて今回の決勝戦は、この輝かしい9シーズン(うち優勝8回)すべてでキャプテンとしてチームをリードしてきたティム・デビッドソン(レベルズ)の引退試合。絶対に負けられない一戦だった。
シドニー・ユニは今シーズンからパナソニックでプレーする、べーリック・バーンズも所属した名門クラブ。また今年は、キヤノンイーグルスのWTB和田拓主将、PR城彰副将の両選手が留学していた。ちなみに、今季は1軍から4軍まですべてのグレードの決勝戦がシドニー・ユニ×イーストウッドの組み合わせ。これは、このコンペティションのシステムとなった1932年以来初めてのことだった(結果は3軍のみイーストウッドが勝った)。
(文/YASU TAKAHASHI)
笑顔で引退するティム・デビッドソン主将。体を張り、絶対的な信頼のある人物だった
(撮影/YASU TAKAHASHI)