コーラとクボタはTL復帰戦勝利ならず 4強の東芝、パナ、神鋼は白星発進
コカ・コーラウエストの壁を壊しにいくリコーのLOカウヘンガ桜エモシ
(撮影:松本かおり)
ジャパンラグビートップリーグの開幕節2日目(8月31日)、東京、大阪、兵庫で計5試合が行われた。
2季ぶりに日本最高峰リーグに戻ってきたコカ・コーラウエストレッドスパークスは、秩父宮ラグビー場でリコーブラックラムズに襲いかかり、勝利を目前にしながら最後にペナルティゴール(PG)を決められ、27−27で引き分けた。
前半8分、コカ・コーラウエストはラインアウトからの速い攻めで敵陣22メートル内をワイドに動き、キャプテンのNO8豊田将万が右隅に飛び込んで先制。しかしその後、リコーのアウトサイドバックスに走られ3トライを許し、5−17でハーフタイムを迎えた。
それでも、この1年でアタッキングラグビーを磨いてきた九州の赤い軍団は、後半最初の20分間で3人がファイブポインターとなり、ゲームをひっくり返す。42分、自陣でのスクラムからのムーブでWTB小柳泰貴が左サイドを突破すれば、4分後にはCTBトゥ・ウマガマーシャルの意表を突いたキックにFB川口皓平がいち早く反応しグラウンディング、60分にはSO吉原渉もゴールラインを越えた。
3分後、リコーのパワフルLOカウヘンガ桜エモシに突進されて逆転されたコカ・コーラだったが、76分、ペナルティからの速攻でLO桑水流裕策が22メートル内に入り、FB川口がサポートして再逆転トライを挙げた。
ゴール決まり、3点差。このまま守り切れば、レッドスパークスは復帰戦を白星で飾るとこだったが、残り時間10数秒で反則を犯し、リコーの途中出場FBピータース・ダニエルにPGを決められ、引き分けに終わった。
同じ復帰組のクボタスピアーズは大阪(キンチョウスタジアム)で昨季6位のヤマハ発動機ジュビロに挑み、28−38で惜敗した。
キックオフから2分も経たぬうち、ラインアウトからのモールドライブで押し込んで先制し、激しい点の取り合いとなった前半を21−20とリードして折り返したが、後半早々に元オールブラックスのヤマハFLモセ・トゥイアリイにあっさりゴールラインを割られ、逆転。ヤマハはその約10分後、スクラムからの流れでWTB徐吉嶺が走り抜け、FB五郎丸歩の正確なプレースキックでクボタを突き放した。
昨季準優勝の東芝ブレイブルーパスは秩父宮でキヤノンイーグルスと対戦し、10−8で辛くも勝点4を収めた。
主将のリーチ マイケルが6月の日本代表試合で足首を骨折したため、副将のNO8望月雄太を中心にファーストステージを戦っていく東芝。前半3分のモール攻撃と、同13分のモール前進からの素早い展開によるトライ2本で10点を奪い、その後は追加点を挙げることはできなかったが、堅いディフェンスでリードを守り切り、WTB廣瀬俊朗のリーグ戦通算100試合出場(19人目)を勝利で祝った。
トップリーグ挑戦2年目のキヤノンは果敢に攻め、今大会で優勝5回の戦績を持つ強豪を脅かしたが、強風でキッカーのCTB三友良平が苦労し、金星獲得とはならなかった。
速いテンポで攻撃を仕掛ける東芝のSH吉田朋生
(撮影:松本かおり)
昨季ベスト4の神戸製鋼コベルコスティーラーズは地元にNECグリーンロケッツを迎え、28−26で逆転勝ちした。
前半は強い雨のなかボール処理に苦しむ場面があり、NECのCTB釜池真道に2トライを奪われ、13−17で最初の40分間を終えた神戸製鋼。しかし後半開始早々、敵陣深くでキックを駆使して相手を揺さぶり、素早い詰めでターンオーバーし、CTBジャック・フーリーの逆転トライが生まれた。NECのキッカーを務めたウェブ将武がPGを重ね、再び追う立場となった神戸製鋼だったが、67分、22メートル内でSO山本大介がゴール前へ絶妙なキックパスを放ち、身長193センチのWTBフレイザー・アンダーソンが空中戦に競り勝って同点トライ。難しい位置からのコンバージョンをSO山本が決め、逆転勝利をもぎとった。
そして、3季ぶりの王座奪還を目指すパナソニックワイルドナイツは初戦を大阪で迎え、近鉄ライナーズを46−0と圧倒。前半にSHイーリ ニコラスが2トライを挙げれば、61分には南アフリカからやってきた大物外国人BKのJP・ピーターセンがグラウンドイン直後のファーストタッチでゴールラインを越えた。71分には東海大出身のルーキーFL谷昌樹が力走。その後、最多トライゲッターの称号を手にしたことがある両WTB、北川智規と山田章仁も快足を披露し、パナソニックの強さを見せつけた。
9月1日は愛知(豊田スタジアム)で開幕節の残り2試合、「NTTドコモレッドハリケーンズ×九州電力キューデンヴォルテクス」、「トヨタ自動車ヴェルブリッツ×豊田自動織機シャトルズ」が行われる。
今季第1戦から攻守で存在感を見せた神戸製鋼のCTBジャック・フーリー
(撮影:YOSHIO ENOMOTO)