守備力強化を目指すNEC 合言葉「アップル」で上位進出目指す
日本最高峰であるラグビートップリーグ(TL)のNECは、組織守備の連携に活路を見出す。23日、東京・リコー砧グラウンドで行われたリコーとの20分×2本の変則マッチは5−7と惜敗も、グレッグ・クーパーヘッドコーチ(HC)は「強いディフェンスができた」と手応えを掴んだ。
一昨季は4強入りしてプレーオフに進出も、昨季は14チーム中8位に沈む。就任2年目のクーパーHCは、前年度のリーグ戦の通算トライ数が4位だった神戸製鋼と大差がないことを指摘。確かにチームは、日本代表のSO/CTB田村優、フィジー代表で2011年度トライ王のWTBネマニ・ナドロら、攻撃で力を発揮する大駒を揃える。LO/FL村田毅も「アタックは自然とできている 。まず一番にディフェンスを安定させる」と、新シーズンのイメージを語った。
組織を機能させるには、個々の素早いポジショニングが不可欠。同10位のリコー戦中、コーチ陣は「アップル」と連呼していた。倒れた選手が素早く立ち上がるという意味の、クラブ独自の造語である。LO/FL村田は「アップル。これは気持ちの部分だと思う。そこで勝っていきたい」と宣言した。
NECはかねてから高い守備力で存在感を示し、2002年度に日本選手権を初制覇(’04年度、’05年度も優勝)。2003年度には現在のTLプレーオフに該当するマイクロソフトカップで優勝を果たした。ただ、今回の守備重視はその歴史とは「特に関係ない」と指揮官は言う。
「時にはアグレッシブに前に出て、時にはラインをコントロールする…。(守備形態の)使い分けをします。昨季はディフェンスが我々を落胆させた。優勝するにはいいディフェンスが必要」
チームは31日、今季初戦を迎える。SO/CTB田村ら調整のため23日の出場を見合わせた主力組も揃い、昨季TL4位の神戸製鋼を迎え撃つ(兵庫・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場)。
(文・写真/向風見也)