関東大学オールスターゲーム 第1回は対抗戦が快勝!
トライした坂手淳史(中央)を祝福する流大と金正奎
(撮影:松本かおり)
今季初めての試みとなる関東大学オールスターゲームが7日、東京・秩父宮ラグビー場であり、対抗戦選抜がリーグ戦選抜に55−28で勝利した。開始10分で2トライを挙げて前半を33−0で折り返し、終盤こそ追い上げられるも難なく逃げ切った。
肉弾戦でのしぶとさに定評ある対抗戦勢が、終始ペースを握った。まずは立ち上がり。密集の脇の狭いスペースをPR森川由起乙(帝京大)が直進する。敵陣中盤まで進んでリーグ戦選抜の反則を誘うと、前半4分、FL金正奎(早大)がそのまま駆け出しHO坂手淳史(帝京大)の先制トライを導いた。7月16日からは日本代表合宿(長野・菅平)に参加するHO坂手は、守っても鈍い音の響くタックルを連発。持ち味を発揮し、対抗戦選抜のベストタックル賞を獲得した。前半23分には、下部グループにあたる対抗戦Bの立大のFB中澤健宏が敵陣10メートル線付近から約30メートルの疾走を繰り出す。サポートについたCTB宮川尚之(慶大主将)が止めを刺し、この日の対抗戦選抜のベストトライ賞を受賞した。
着実に加点する対抗戦選抜に対し、リーグ戦選抜が一矢報いたのは終盤となってからだ。後半24分、敵陣ゴール前でのラインアウトからPR高橋洋丞(大東大主将)が駆け抜けスコア。続く28分には、WTB石井魁(東海大)が自陣左の深い位置から軽快なステップで敵陣ゴールエリア右まで駆け抜けた。リーグ戦選抜のベストタックル賞には、随所で危機管理能力を発揮したCTB山北純嗣(中大主将)が、同じくベストトライ賞にはWTB石井がそれぞれ輝いた。
試合後、勝った対抗戦選抜の岩出雅之監督(帝京大)は、「今回が学生のいいチャンスになるようにと臨みました。いい選手がいい気持ち、いい集中力を出せた。チームの枠を越えて、プレーが選手をまとめさせた」と述懐。敗れた木村季由監督(東海大)は「とにかく本気でやろうと意思確認をしました。前半に浮き足立ったけど、後半にリズムを取り戻したらいいプレーもあった」と振り返った。
バネのある走りと献身的なサポートを示したFL金は、チーム選定のMVPに輝く。岩出監督の判断で、勝利チームに贈られる「吉野家牛丼1年分」を所属先へ持ち帰った。
(文・向風見也)