セブンズ 2013.06.28

RWC SEVENS 2013開幕。男子日本代表、初戦にすべてを。

RWC SEVENS 2013開幕。男子日本代表、初戦にすべてを。



『RWC SEVENS 2013』開幕! オープニングのサモア×ジンバブエは21-14でサモアの勝利


 


 ワールドカップ・セブンズ2013が始まった。開幕戦のサモア×ジンバブエは21-14の接戦(サモアの勝利)。男子は6月28日から30 日の3日間、ロシア・モスクワのルジニキスタジアムで戦う。女子の部は29日、30日の2日間。メインスタジアム近くのゴロドクスタジアムも使われる。


 


 


 プールBで南アフリカ、スコットランド、ロシアと戦う男子セブンズ代表は、初日、スコットランドと対峙する。試合前日に取材に応じた坂井克行主将は、「とにかくスコットランド戦」と言った。
「セブンズは初戦がいちばん難しい。入りが悪ければやられる。うまくいけばノッていける。スコットランドには、悪いイメージはないんです。2年前(2011年)の香港セブンズでも逆転で勝ちました(19-14)。最後まであきらめなかったから勝てた。今回も同じように戦いたい」


 



 世界一を決める大会だ。興奮しないはずがない。しかしキャプテンは、「この緊張感を全員で楽しみたい」と、自然体でチームを牽引する。
「まずはワールドカップという大舞台を、ひとりのラグビー選手として楽しみたい。そして、楽しむためには勝つのがいちばん」
「(自分自身は、得意の)キックを正確に。キックオフのボールを確保したい。トライ後のゴールも決めて、勝負をわけるかもしれない2点を確実に積み重ねるのも大事」と誓うのも、勝利への思いの強さからだ。接戦をものにして、ベスト8に入りたい。


 



 大会2日前におこなったオーストラリア代表との練習試合では、トライ数0-7と完敗した。本番直前だ。自信を失いかねない結果だった。
 しかし若手に動揺を与えぬよう、気丈なままだったベテランの態度は立派だった。
「初戦のスコットランドに勝つことに集中しています。そのために来た。だから、あの試合(豪州戦)がスコットランド戦でなくてよかったな、と。あとで映像を見ても自分たちがやってきたことが間違いでないことはあらためて分かった。そこをもう一度強く意識して戦いたい」
 前回のW杯も経験している桑水流裕策には、まったく慌てる様子がなかった。「前回大会はほとんど出られなかったし、勝てなかった。今回は絶対に勝ちたい」と、個人的な思いも強い。


 



 坂井主将と桑水流らが中心となって、選手だけでミーティングを開いたのは豪州との練習試合の翌日、大会前日の午前中だった。
「自分たちは、ここに何しに来たんだ? ということを確認しました」
 話し合いを振り返り、坂井主将はそう言った。そして続けた。
「楽しむこと。そして勝つこと。モスクワに来た理由をみんなでもう一度確かめました」 桑水流も自信を持って言った。
「やってきたことを出し切ろう、と。運動量ではどこの国にも負けない。日本のセブンズをやり切る。やり切れば勝てる」
 大舞台を初めて経験する若手もいる。ジャパンの重みを感じながら戦えと頭ごなしに言っても思いは伝わらない。だけど、自分たちの強い思いを伝えたら、チームの気持ちはひとつになった。


 



 瀬川智広ヘッドコーチは、「世界の大舞台に立つことなんて滅多にない。やってきたことを、自信を持ってやりきりたい」と語った。
「世界のトップがここに集まっています。でも、7人制ラグビーがもっと広がっていくためにも結果を残したい。ただ、勝った負けただけでなく、何かが伝わるゲームを世界に発信していきたい」
 初戦のキックオフは日本時間の24時36分(現地時間/19時36分)。14分後、まだ明るいモスクワの空に拳を突き上げているのは桜のジャージーか、あざみの花か。興奮の3日間にしたい。


 

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