帝京大 倒れないことで得る「プラスの効果」でトップリーグに挑む
進化し続ける大学チャンピオン
(撮影:松本かおり)
昨季の関東大学対抗戦A王者で大学選手権4連覇中の帝京大は、今季、日本最高峰であるトップリーグ勢の撃破を目指す。岩出雅之監督によれば「立ってプレーする」をテーマに掲げ、第2回関東大学春季大会はここまで4連勝。6月2日には、今季からTL入りする豊田自動織機を47−12で制した。
「立つと言っても、高い姿勢になって(接点で)止まってしまうのとは違う。逆に、(相手を引きずりながら)前に行って、そこで結果的に寝てしまうならいい」と岩出監督。指揮官の言う「立ってプレーする」とは、ボール保持者が倒れずに前へ進むことを指す。1対1でのコンタクトの際に前進すれば、オフサイドライン(タッチラインとボールの位置を結ぶ、ゴールラインと平行な架空の線)を押し上げられる。ルール上、相手は守備ラインをその後ろで作らなければならず、攻める側は球を繋ぎやすくなる。岩出監督は、「最近は、(各チームとも)ディフェンスラインのセットが速いから。プラスの効果(オフサイドラインを前に押し上げること)を連続で出していかないと」と説明する。
春先は、かねてから注力してきたフィジカル強化により意識を傾けた。理想の「立ってプレーする」の実現のためだ。豊田自動織機を制した日は、それまでの鍛錬の成果が個々の身体に定着してきた時期だった。社会人を相手に会心の勝利を決めたからか、その後の練習では「厳しさを欠いた」面もあったと指揮官は言う。しかし9日、東京・八王子の帝京大グラウンドで明大に快勝。所属の対抗戦Aで筑波大と前年度の優勝を分け合った相手に、74−14と大差の試合を演じた。そんななか、PR森川由起乙は、「(相手に)当たった時のパスでミスをしてしまって、流れを止めてしまう部分もあった。(コンタクトの際に)どうボールをつなぐか、コミュニケーションを取るか。そこは修正点だと思います」とおごりはなかった。23日は昨季関東大学リーグ戦1部王者・東海大との春季大会最終戦に臨み(帝京大グラウンド)、7月はTLの昨年度王者サントリー、同4強のパナソニックのもとへ出稽古に行く。
(文・向風見也)
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