国内 2013.06.08

進化遂げる法大、早大と接戦演じるも「いま変わらんと」 9日慶大と対戦

進化遂げる法大、早大と接戦演じるも「いま変わらんと」 9日慶大と対戦

 谷崎重幸新監督の就任で話題を集める法大は、第2回関東大学春季大会で2勝1敗ながら確かな成長を示している。現在、20歳以下日本代表主将としてジュニアワールドラグビートロフィーに出場中の3年のFL西内勇人は、「去年より、チーム全体からやるぞという気持ちが伝わってくる」と笑顔で語る。

 5月26日、 神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場。昨季は関東大学対抗戦4位で大学選手権4強の早大と、春季大会の第3戦を行った。1年時から試合に出ていた3年のCTB金勇輝は言う。「春はずっと早大を目標にして練習してきた。いままでやってきたことを全部、出し切ろうと」。キックオフと同時に守備で鋭く前進。互いに声を掛け合って守備網を形成し、攻めては無人のスペースへ効果的に球を運ぶ。21分、中盤でのインターセプトからNO8堀大志主将がトライラインへ到達する。21−0とリードを奪った。

 東福岡高を率いて2011年度まで全国高校ラグビー大会3連覇を達成した谷崎監督は、春先から実戦に即したトレーニングを繰り返していた。CTB金によれば、「3対3、8対8、12対12、15対15…。コンタクトスーツなし、タックルありの練習が本当に多くて。(シーズンが本格化する)秋に勝つチームを作るために、強度は落とさないと(スタッフが)公言している。選手もそれを聞いているので、練習への準備がしっかりできている」。東福岡高の3連覇メンバーだったFL西内、大阪朝鮮高卒で昨年の20歳以下日本代表だったCTB金と好素材を揃えながら、昨季のチームは関東大学リーグ戦1部で4位に甘んじている。以前は指導体制が定まらぬなか活路を見出そうとしていたCTB金も、新体制のもとで「チームで褒め合って、許し合える集団になろう」との教えを大切にする。

 早大戦は、28−33で敗れた。前半終了間際のシンビン(10分間の一時退場処分)で流れを相手に渡し、一時は持ち直すも後半31分に逆転された。CTB金は「試合の入りは圧倒できたし、対人の強さも負けてなかった。手応えを感じている」と振り返った。

 一昨季からアドバイザーとして時折練習を指導する川内鉄心氏は「(試合の)入り方には気持ちが入っていた」と収穫を得たが、「最後の20分は体力の差。バタン、と力が出んようになった」。序盤から発揮された集散の速さや密な連携についても「それを80分間、持たせないと」とあえて辛口だった。東福岡高でも谷崎監督の参謀としてチームを支えてきた。母校である法大の復活に向け、「いまはこれでいいと満足したらいかん。いま、変わらんと」。9日、法大グラウンドで慶大(前年度は対抗戦A5位)との春季大会第4戦に臨む。

(文・向風見也)

 

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