ジャパンHO青木がPNCフィジー戦で今季初先発 運動量と経験値で存在感
青木佑輔
(写真:BBM)
ラグビー日本代表は6月1日、フィジー代表とのパシフィック・ネーションズカップ(PNC)の第2戦でHO青木佑輔が、今季のテストマッチ(国同士の真剣勝負)における初先発を飾る(ラウトカ・チャーチルパーク)。身長176センチ、体重97キロ。同ポジションにあっては小柄ながら、豊富な運動量とキャリアに裏打ちされた修正能力を示している。
早大時代は、清宮克幸監督(当時・現ヤマハ監督)のもと同部の黄金時代を築く。日本最高峰トップリーグ(TL)のサントリー入り後も新人時代からレギュラーに定着。日本代表としては2011年のワールドカップニュージーランド大会に出場するなど、これまで27キャップ(テストマッチ出場数)を獲得してきた。今春はエディー・ジョーンズ ヘッドコーチ(HC)体制下にあって、昨年7月の候補合宿(長野県・菅平)以来2度目の招集となった。4月下旬からのアジア五カ国対抗(A5N)では、先発のHOが入れ替わるなか常にリザーブの背番号16を守った。
「前半の反省を活かせなかったら、入る意味がない」
4月27日、香港ラグビーフットボールクラブでのA5N第2戦。ホームの香港代表を相手に、ジャパンのスクラムはかみ合わなかった。しかし、ベンチで観戦していたHO青木は、相手の組み方を「押さないで、回して来る」と分析。「こっちは止まってないで、前に出続けることが大切」。後半13分に投入された際は、味方FWに「ヒット&チェイス!」と声をかけた。「ちょっとでも前に出れば、相手も(後ろに)下がる」。先発のHO木津武士(神戸製鋼)が身長183センチ、体重112キロのサイズでじっくり押すタイプであるのに対し、軽量級のHO青木はヒットの際の瞬発力を長所とする。そうしたコントラストも相まって、チームは香港代表のFW第1列を苦しめた(○38−0)。
「エディーさんにはスクラムをしっかり組んでくれと言われている。あとは、(終盤に)テンポを上げるためのワークレート(仕事量)…。後半からのメンバーとして、いまの仕事に責任を持っている。信頼してもらっているので、応えたい」
リザーブの役割を前向きに捉えるHO青木を、ジョーンズHCはかねてから「タフでハード。スクラムで出し切る。体重が99〜100キロに行けば、スタメンも考えています」と評していた。フィジー代表戦は現地時間の15時40分、キックオフ。
(文・向風見也)