フィジー相手に力の差痛感。セブンズ日本代表、覚悟を決めて決戦へ。
フィジーとの練習試合でパスをつなぐセブンズ日本代表、坂井克行主将
いよいよ明日3月30日に開幕する『TOKYO SEVENS 2013』。昨日(28日)のセブンズ日本代表はフィジー代表と練習試合をおこない、今季初めて対戦することになる『強国』との対戦に備えた。
今大会ではNZ、カナダ、フランスと同組に入ったジャパン。瀬川智広ヘッドコーチは言った。
「世界最強のNZと戦う。だから、それと同等の力を持つチームとの練習試合の相手を探していたらフィジーと条件が合ったのでお願いしました」
相手は今季、シリーズ総合でNZに続く2位につけている。先週の香港セブンズを制して充実。これ以上ない相手だった。
試合は7分×3試合でおこなわれた。結果はトライ数6対4と、フィジーが上回った。立ち上がりに2トライを先制し、2試合目までトライ数3本ずつだったジャパン。しかし、自在なアタックを仕掛け続ける相手に振り回される。攻めても、手詰まりとなるシーンが目立つようになり、世界トップクラスとは距離があることが明らかになった。
この日はタックルの代わりにホールドで止めるルールだったが、瀬川ヘッドコーチは「実際にコンタクトが起これば、もっとやられていた思う。フィジーはさすが。やってよかった」と語った。
決戦を2日後に控えた指揮官は、冷静に試合内容を振り返った。
「(ブレイクダウンを意図的に作って攻めるスタイルの自分たちは)フィジーのように、引いて守ってくる相手に対して戸惑いがある。きょうの試合を見てもそうでした。でも、そこをなんとかするしかない。相手が出てこなくても、迷うことなく仕掛け続けることが大事。全員が自分たちのやってきたことを理解し、信じ切ることで生まれる意思疎通、動きのはやさで上回るしかないと思っています」
コアチーム入りを逃し、ほとんどの対戦相手がアジア各国だったこの1年。セブンズの世界のレフリングに戸惑った香港大会でのパフォーマンスを見ても、世界との間には、確かに壁がある。しかし、それでも結果を求められるのが代表チームの使命。現状を嘆いていても仕方ない。瀬川ヘッドコーチと選手たちは、覚悟を決めてやってきたことを出し切るだけだ。
継続できた攻撃の中では、この日も「小さな穴をビュッと駆け抜け、攻めきる」というイメージを具現化できた。瀬川ヘッドコーチは、キックオフボールの確保に奮闘したFW桑水流裕策の安定感、合流したばかりのヘンリー・ジェイミー(立正大)のフレッシュな動きを評価した。開幕前日(29日)には登録メンバーが締め切られる。日本のファンを熱狂させるヒーローの出現はあるか。