南ア代表SO世代交代 モルネ外れ、20歳フーセンに背番号10
スプリングボックスの新しいエースへ。ファンの期待も高いヨハン・フーセン
(撮影:Yasu Takahashi / Nichigo Press)
2009年のトライネーションズから南アフリカ代表の背番号10を本格的に託され、昨年のワールドカップ全5試合と今年のテストマッチ7試合すべてで先発SOを務めてきたモルネ・ステイン(28歳)が、ついに外された。スーパーラグビーでは、ダン・カーターに次ぐ通算第2位の得点者(1201得点/2005‐2012)であり、2010年のテストマッチではゴールキック41本連続成功の世界記録を樹立。ゴールデンブーツと呼ばれた彼の右足はスプリングボックスの大きな武器であったが、9月15日のニュージーランド戦で衰えが明らかとなり、ハイネケ・メイヤー南ア代表ヘッドコーチは、今週末のオーストラリア戦は20歳のルーキー、ヨハン・フーセンを新たな司令塔として試すことに決めた。高校時代に約67メートルのペナルティゴールを決めたというキック力が最大の魅力だが、冷静な頭脳と視野の広さから、モルネ・ステインよりも攻撃的なSOと期待される。南アにおける年間最優秀新人賞の有力候補であるフーセンがチャンスをつかめば、スプリングボックスは新たな時代に突入する。
モルネ・ステインにとって、オーストラリア代表戦が行われるロフタス・ヴァースフェルドはブルズでも慣れ親しんできたホームであるが、リザーブメンバーにも入っていない。
SOの控えは、テストマッチ未経験の22歳、ヤルトン・ヤンチースだ。
バックスにはもうひとり注目選手がおり、代表初招集のCTBヤコ・タウタ(21歳)も試合登録メンバー22名入りが確実となった。左足首の状態が不安なCTBフランソワ・ステインがフィットネステストに合格しない場合は、タウタがアウトサイドCTBで先発となり(ジャン・デヴィリアスが12番へ移動)、フランソワにゴーサインが出た場合は、ベンチで待機する。
テストマッチ81試合出場のWTBブライアン・ハバナや、79キャップのCTBデヴィリアス主将など、2007年のワールドカップ優勝を知る経験豊富なベテランたちも健在だが、指揮官は若手起用に積極的になっている。先発予定の LOエベン・エツベス(20歳)に、控えのFLマルセル・クッツィエ(21歳)とUBパット・ランビー(21歳)も加えれば、22歳以下の選手は6名。肩と首回りの故障から復活したPRコーニー・ウーストハイゼンも23歳と若く、3年後の大舞台へ向けて、楽しみなヤングスターたちが目の色を変えてきたことは間違いない。
<2012.9.29 南アフリカ代表 試合登録メンバー>
1.T・ムタワリラ(シャークス) 2.A・ストラウス(チーターズ) 3.J・デュプレッシー(シャークス) 4.E・エツベス(ストーマーズ) 5.A・ベッカー(ストーマーズ) 6.F・ロー(バース ENG) 7.W・アルベルツ(シャークス) 8.D・フェルミューレン(ストーマーズ) 9.R・ピナール(アルスター IRE) 10.J・フーセン(チーターズ) 11.F・ホーハート(ブルズ) 12.F・ステイン(シャークス)/J・タウタ(ライオンズ) 13.J・デヴィリアス(主将/ストーマーズ) 14.B・ハバナ(ストーマーズ) 15.Z・カーシュナー(ブルズ)
16.T・リーベンバーグ(ストーマーズ) 17.C・ウーストハイゼン(チーターズ) 18.F・ファンデルメルヴァ(ブルズ) 19.M・クッツィエ(シャークス) 20.E・ヤンチース(ライオンズ) 21.J・タウタ(ライオンズ)/J・デヨーン(ストーマーズ) 22.P・ランビー(シャークス)