各国代表 2012.09.15

アルゼンチン歴史的勝利ならず 豪州に逆転負け NZは優勝王手

アルゼンチン歴史的勝利ならず 豪州に逆転負け NZは優勝王手


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マコウ主将が率いるオールブラックスは、2011年8月に豪州に敗れたあと、14連勝
(撮影:Yasu Takahashi / Nichigo Press)


 



 南半球4カ国対抗戦「ラグビーチャンピオンシップ」の第4節2試合が15日に行われ、ニュージーランド代表は南アフリカ代表を21−11で破って全勝をキープ、新参者のアルゼンチン代表はオーストラリア代表相手に善戦したものの、19−23で逆転負けを喫し、歴史的勝利はお預けとなった。


 


 地元ダニーデンに南アフリカを迎えた世界王者のオールブラックス(NZ代表)は、FBイズラエル・ダグのトライで前半を5−3とリード。後半序盤の47分に、南アWTBブライアン・ハバナが敵陣10メートルから抜け、チップキックを使った鮮やかな個人技でフィニッシュしたが、4分後にニュージーランドはペナルティゴール(PG)で追いついた。
 そして59分、黒衣20番をつけたアーロン・スミスの走りがオールブラックスに勢いをつけた。この試合が始まる前、今季6試合すべてで背番号9をつけながら、チームのルールを破って夜間外出をし、先発の座から落とされていたルーキーSHは、22メートル外でのラック後、瞬発力と巧みなサイドステップを使って次々とディフェンダーをかわし、逆転トライを挙げる。
 フィジカルの強さを発揮して競っていた南アフリカだったが、63分、途中出場のPRディーン・フレイリングがNZ主将のリッチー・マコウに対する悪質なラフプレーでイエローカードをもらい、苦しくなった。また、3人のキッカーが9本のゴールショットで2本しかポスト間を通せなかったのも敗因。特に、ゴールキックの精密機械といわれたSOモルネ・ステインの右足は衰えが顕著で、司令塔の座は危うくなった。



 もう1試合、オーストラリア対アルゼンチン戦は、ラグビーのテストマッチ初開催となるゴールドコーストで行われた。
 ホームチームのワラビーズ(豪州代表)は、前半21分にNO8ランディケ・サモが、35分には新主将のLOナイサン・シャープがゴールラインを越えたものの、いずれもアルゼンチン代表の粘り強いディフェンスでグラウンディングできず、最初の40分を3−6とリードされて折り返した。
 後半の48分にPGで追いついたワラビーズだったが、今年から初めて南半球国別対抗戦の仲間入りをし、初勝利に燃える南米の男たちは勢いがあった。同点にされた直後の49分、アルゼンチンの途中出場FLトマス・レオナルディが、敵陣22メートル内で相手SOクウェイド・クーパーのキックをチャージし、はね返りを自らキャッチしてトライ。51分には、自陣22メートル付近からSOフアン・マルティン・エルナンデスがギャップを見つけてハーフウェイまで走り、つないだWTBフアン・ホセ・イモフが右サイドを突破してゴール前に迫ると、最後はサポートについていたFLフリオ・ファリアス・カベージョが飛び込み、リードを広げた。
 57分にPGを追加され、13点を追う立場となったオーストラリア。しかし、故障者続出とはいえ、世界ランキング2位の意地を残り20数分で発揮する。59分、CTBパット・マッケイブが相手の最終ラインを破り、ゴール成功で6点差。68分には、右膝の前十字靱帯断裂で離脱したウィル・ゲニアに替わりワラビーズの9番をつけたニック・フィップスが、隙間をついて敵陣22メートル内に入り、WTBディグビー・イオアネにつないでトライが生まれた。そして、難しい位置からのコンバージョンをFBベーリック・バーンズが決め、逆転。78分にはカートリー・ビールがPGを追加し、オーストラリアが辛くも逃げ切った。



 今日の結果、4勝0敗(勝点16)でニュージーランド代表が首位。2勝2敗(勝点8)のオーストラリア代表と、1勝1分2敗(勝点7)の南アフリカ代表にも優勝の可能性はあるが、残り2試合でニュージーランドが1勝でもすれば、2年ぶりの南半球王座奪還と同時に、4カ国対抗戦となって新しく始まったラグビーチャンピオンシップの初代王者となる。0勝1分3敗(勝点3)のアルゼンチン代表は母国に戻り、今月29日のニュージーランド戦か、10月6日のオーストラリア戦で歴史的勝利を狙う。


 

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