悲願の初優勝へ前進するのはどっちだ!? ストーマーズ×シャークス
今季スーパーラグビーのレギュラーシーズンで総合トップに立ったストーマーズと、プレーオフ1回戦で前王者レッズを破ったシャークスが、7月28日にケープタウン(ニューランズ・スタジアム)で行われる準決勝で激突する。
毎年安定した成績を残す南アフリカのこの2チームは、ともにスーパーラグビー優勝目前に迫りながら、栄冠を手にしたことは一度もない。ストーマーズは2010年決勝、連覇へ勢いづくブルズに8点差で屈した。シャークスは2007年決勝で同じくブルズと対戦し、6点リードしながらロスタイムにトライを奪われ、逆転ゴールで悪夢を見た。
悲願達成まで、あと2勝。
ストーマーズは今季16試合で、わずか2敗しかしていない。そのうちの1敗が、5月26日のシャークス戦で喫したもの(20−25)。その一方で心強いのは、約5万人が声援を送るホームでは今年一度も負けていないというデータだ。
ディフェンス力は全15チームのなかでも最強で、レギュラーシーズンでの総失点はわずか254(1試合平均:15.8点)、被トライ21(平均:1.3トライ)のハイパフォーマンスを見せた。
攻撃ではラインアウトに自信を持っており、陣地をきっちり確保してゲームを進めることができるのも彼らの強みだ。208センチの長身LOアンドリース・ベッカーだけでも頼もしいが、6月に南ア代表初キャップを獲得した身長203センチの20歳LOエベン・エツベスが、足首が万全の状態となり、約1カ月ぶりの戦列復帰で燃えている。
しかし、開幕戦で左膝を故障した主将のFLスカルク・バーガーが今季絶望なのはわかっていたが、NO8デュアン・フェルミューレンも準決勝に間に合わなかったのは誤算だった。4月20日のレッズ戦で左膝を痛めて長期離脱していたフェルミューレンは、先週からトレーニングに復帰していたものの、フィットネスが十分ではないとの理由でメンバー入りならず。それに伴い、前試合(レベルズ戦)で背番号8をつけてマン・オブ・ザマッチに選ばれたHOデオン・フーリーが、今回もパックの最後列に立つ。
アリスター・クッツィエHC(ヘッドコーチ)はベンチに控えHOを入れず、シャークスの力強いスクラムに対抗するため2人のPR(マレルブとカルステンス)をスタンバイさせた。先発タイトヘッドは経験豊かなブロック・ハリスが担う。
途中合流の助っ人として活躍してきたカナダ代表のFLジェブ・シンクレアは、4月1日以降の契約選手であるため大会規定によりプレーオフには出場できず、今年スーパーラグビーデビューを果たした23歳のドン・アルマンドにチャンスが与えられた。
一方のシャークスは、敵地ケープタウンで試合をするときは前日入りがこれまでの習慣だったが、今回は決戦2日前の木曜日に入り、万全の状態で臨む。完全アウェイでの戦いとなるため、先週のレッズ戦(ブリスベン)で成功したように、先取点を奪って序盤から主導権を握ることが重要ポイントとなる。
21歳のスターBKパトリック・ランビーは、やはり左足首の回復は間に合わなかった。しかし、フランス代表のSOフレデリック・ミシャラクや、2007年ワールドカップ優勝WTBであるJP・ピーターセンなど勝負強いランナーがバックスをリードする。
プレーオフ1回戦から先発の顔ぶれが変わったのは1人だけ。13番が期待された20歳の新鋭ポール・ヨダーンは、太もも裏を痛めているためフィットネステストをパスできず、メンバーから外れた。そのため、メイヤー・ボスマンが12番に入り、ティム・ホワイトヘッドがアウトサイドCTBに回る。また、バックローが充実しているため、ヴィレム・アルベルツは今回もセカンドローでプレーすることになった。
ともに準備は整った。決戦は7月28日土曜日、日本時間24時5分にキックオフ。
<2012 スーパーラグビー 準決勝 ストーマーズ 出場予定メンバー>
1.S・キッツォフ 2.T・リーベンバーグ 3.B・ハリス 4.E・エツベス 5.A・ベッカー 6.S・コリシ 7.R・エルスタット 8.D・フーリー 9.D・デュヴェナカ 10.P・グラント 11.B・ハバナ 12.J・デヴィリアス(主将) 13.J・デヨーン 14.G・アプロン 15.J・ピーターセン
16.F・マレルブ 17.D・カルステンス 18.D・スティアンカンプ 19.D・アルマンド 20.L・シュラウダー 21.B・フランシス 22.G・ファンデンヒーファー
<2012 スーパーラグビー 準決勝 シャークス 出場予定メンバー>
1.T・ムタワリラ 2.ビスマルク・デュプレッシー 3.ヤニー・デュプレッシー 4.W・アルベルツ 5.A・ブレスラー 6.K・ダニエル(主将) 7.M・クッツィエ 8.R・カンコウスキー 9.C・マクラウド 10.F・ミシャラク 11.L・ンヴォヴォ 12.M・ボスマン 13.T・ホワイトヘッド 14.JP・ピーターセン 15.L・ルディク
16.C・バーデン 17.W・ハーブスト 18.S・サイクス 19.J・デイセル 20.J・ボーテス 21.O・ンドゥンガネ 22.R・フィルヨン