SBWパナソニック入り認めた! 13人制経て、2014年にNZ復帰へ
W杯優勝という1つの目標を達成したソニー=ビル・ウィリアムズ(中央)。次は日本で、そして13人制でゴールドをつかむ
(撮影:松本かおり)
2011年ラグビーワールドカップでニュージーランド代表の優勝に大きく貢献した天才フットボーラー、ソニー=ビル・ウィリアムズ(SBW/26歳)が9日、地元ハミルトンで会見を開き、ジャパンラグビートップリーグの「パナソニックワイルドナイツ」へ移籍することを公に発表した。昨年10月末にNZラグビー協会とわずか1年間しか契約を更新しなかったため、さまざまな憶測を呼んでいたが、次の舞台に選んだ場所は日本だった。
地元メディアが伝えたところによると、SBWは会見で、「一度は(パナソニックからの)オファーを断ったものの、彼らはビジョンを示して再び熱心に誘ってくれた。その熱意を断ることはできなかった」と語り、全力プレーを誓っている。ニュージーランドの全国紙『NZヘラルド』によれば、パナソニックとは1億円前後の契約が交わされた模様。
しかし、1シーズン限りの挑戦とみられており、その後は古巣のラグビーリーグ(13人制)へ転向すると思われる。リーグでの移籍先はシドニー・ルースターズが有力だが、まだ交渉中であり、9日の会見では明らかにされなかった。SBWは2008年7月、NRL(13人制豪州最高峰リーグ)のブルドッグスと長期契約を結んでいたにもかかわらず、無断で15人制のトゥーロン(フランス)へ移籍したため、2013年までラグビーリーグ界から追放されている。が、それも間もなく終わりを迎えるため、13人制復帰へほとんど支障はない。来年10月と11月にはラグビーリーグのワールドカップが開催されるため、その大舞台に立つ可能性も十分ある。
身長191センチ、体重108キロ。鋼のような肉体は運動神経の塊で、パワー、スピード、スキル、バランス、視野の広さは超一級品。オフロードパスを得意とし、2010年11月6日のイングランド戦でオールブラックスデビューを果たした。そして昨年のワールドカップでは全7試合(先発3試合)に出場し、日本戦などで計4トライを挙げエリスカップ獲得に貢献。今年6月のテストマッチではマア・ノヌーから12番を奪い、アイルランド戦3試合で昨年よりもさらにスキルアップしていることを証明した。これまで17キャップを保持。
しかしながら、他競技(ラグビーリーグ)への転向者はもちろん、
オールブラックスのスティーヴ・ハンセンHC(ヘッドコーチ)は「彼を失うことはNZラグビー界にとっては大きな痛手だが、彼のタフな決断を尊重したい。最高峰のアスリートであり、NZラグビー界で彼を見られるのはこれが最後でないことを願っている」とコメント。NZラグビー協会のスティーヴ・チューCEOも、「2013年に彼がNZラグビー界に戻ってくることはないが、未来の扉は閉ざしていない」としており、2014年にもチーフスへ復帰し、2015年ワールドカップで再びオールブラックスのジャージーを着るチャンスを残した。
なお、プロボクサーとしてNZヘビー級王者の肩書も持つオフロードの名人は、今後もリングに立つ予定。
現在所属するチーフスは南半球スーパーラグビーのプレーオフ進出を決めており、決勝まで進めば、ソニー=ビル・ウィリアムズの来日は早くても8月5日以降となる。2012−13トップリーグのパナソニック初戦は9月1日。第3節で対戦する福岡サニックスブルースには、13人制と15人制の両方で成功したLOブラッド・ソーンがおり、直接対決に注目が集まる。
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