国内 2012.06.09

早大が高麗大と定期交流戦 好タックル連発で見えた春のひと伸び

早大が高麗大と定期交流戦 好タックル連発で見えた春のひと伸び


waseda korai


運動量豊富で、ブレイクダウンでも激しさを見せた早稲田大
(撮影:松本かおり)


 


 


 雨の降りしきる早大・上井草グラウンドで、アカクロのジャージーが駆け回った。14トライで92-10。海峡を越えてやって来た高麗大(韓国)との定期戦で快勝した。
 後藤禎和新監督のもと、「走り勝つ」をテーマにチーム作りを進める早大。この春のオープン戦は関東学大、明大、慶大、同大に連勝してきたが、指揮官は「もっとディフェンスで前に出てほしい。そこのイメージがずれていたんですよ」と物足りなさを感じていた。そんな不満をある程度解消する内容だった。
 大柄で、正面衝突を好む相手に対し、早大は前半からよく動き、よく前に出た。フィットネスで明らかに上回っていた早大だが、ペースをつかんだのは好タックルから。FL金正奎やNO8中野裕太の好タックルで相手の攻撃を寸断、ターンオーバーすると、瞬時に全員が反応し、最後まで攻めきった。前半6分の先制トライはPR上田竜太郎主将が決めたが、その後はWTB原田季郎、WTB中?隆彰が全開。「今年のうちのスタイルでは外でトライが生まれるのが多くなる」と主将が言うように、前半だけで2人で3トライを奪い、決定的場面を何度も作った。
 前半を52-0と大きくリードしたチームは、後半の序盤こそ高麗大に個人技で2トライを許したが、その先はフィットネスに大きな差を見せつける。ラスト20分に5トライを奪う展開で試合を締めくくった。
 これまでの試合で浮かび上がっていた課題が徐々に解消されつつある戦いに、後藤監督は「だいぶいい感じで戦えていましたね。東海大との試合(7/1)で春やったことの成果を出したい」と語った。一方の金聖男監督は、「韓国の国内ラグビーでは考えられないほど早稻田の展開ははやい。また、ブレイクダウンも激しい。初めて体験するラグビーに、選手たちが対応できなかった…」。
 試合後、一番悔しそうな顔を見せていたのは金監督だった。かつてのような闘志、気迫の薄れた韓国の若きラグビーマンたちは、この大敗を糧に、来年の定期戦では少しは意地を見せてくれるだろうか。


 

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