勝利の女神は帝京大に微笑んだ 史上2校目の大学選手権3連覇!
第48回全国大学ラグビー選手権大会の決勝戦が8日、東京・国立競技場で行われ、前年度覇者の帝京大が天理大との死闘を15−12で制し、見事3連覇を果たした。1982〜84年度に同志社大が3年連続大学日本一に輝いて以来、史上2校目の偉業達成である。
先制したのは天理だった。前半16分、左サイドゴール前5メートルでのスクラムから、SO立川理道はパワフルなCTBアイセア・ハベアの裏にボールを通して俊足WTB木村和也のトライを演出した。
リードされた帝京はその5分後、CTBの南橋直哉と中村亮土が大きくゲインしてゴール前まで迫り、モールからNO8李聖彰が抜けて点差を縮めた。ボール支配率で相手を大きく上回り、強力FWに自信を持つ王者は32分、ゴール前5メートル付近のラインアウトからモールドライブで押し込み、FL大和田立がグラウンディングして逆転に成功。前半終了間際に天理はペナルティのチャンスをもらい、SO立川がハーフウェイライン後方ポスト正面の位置からショットを狙ったが、55メートルキックは届かず、12−7の帝京リードでハーフタイムを迎えた。
後半に入ってしばらくこう着状態は続いたが、チャレンジャーの天理は71分、自陣10メートルでのペナルティから速攻を仕掛け、突進と速い球出しの連続で大きく前進。そしてCTBトニシオ・バイフのオフロードパスをもらったLO田村玲一が22メートル外から力強い走りで内側に入り、最後はWTB宮前勇規が相手2人を引きずりながら右隅インゴールに飛び込んで同点とした(ゴール失敗)。
12−12で残り7分。東西横綱によるがっぷり四つの攻防。しかし、なんとかボールを確保した天理だったが、帝京の壁に阻まれて、自陣から抜け出すことはできなかった。すると残り1分の場面で、天理は自陣22メートルのポスト正面で痛恨の反則を犯してしまう。当然、帝京はペナルティゴールを選択。キッカーはキャプテンの森田佳寿。右足から力強く放たれた楕円球は、右ポストのてっぺんに当たりながらも、内側を確かに通った。残り時間10数秒に望みをかけて天理はリスタートを切ったが、ボールをキープすることはできず、大学ラグビーの頂上決戦を見守った勝利の女神は帝京大に微笑んだ。