３連覇へ東福岡が前進　ファイナル舞台の挑戦者は東海大仰星

　第91回全国高校ラグビー大会の準決勝が５日に大阪・近鉄花園ラグビー場で行われ、３連覇を狙う東福岡（福岡）と５年ぶりの覇権奪取に燃える東海大仰星（大阪第３）が決勝進出を決めた。

　第１試合で常翔学園（大阪第２）と対戦した東福岡は、序盤は押され気味だったものの粘り強いディフェンスで耐え、前半ロスタイムにPR平野翔平がゴール内に押し込んで先手を取った。後半14分には敵陣22メートル手前でのターンオーバーからすばやく左へ展開し、WTB中野涼がトライを奪ってリードを拡大。その２分後にはスターFB藤田慶和が自陣ミドルから５人をかわして約65メートルの独走トライを奪うと、24分にはゴール前ラックからPR才田智が飛び込み、勝負を決めた。常翔学園は終盤に１トライを返すのが精一杯で、28−５でモスグリーンの王者が頂上にまた一歩前進した。

　第２試合は近畿勢同士の対決となった。前半は風上のアドバンテージを活かした御所実（奈良）が敵陣で試合を優位に進め、22メートル付近でのラインアウトからモールドライブで一気に押し込み、先制。しかし東海大仰星は４分後、WTB近藤英人が敵陣10メートル中央左から鮮やかな突破を見せ、力強いフィニッシュで同点とした。走力の高い仰星は23分、再びWTB近藤のブレイクで敵陣深くに攻め込むと、キャプテンのFL吉田幸平が相手につかまりながらもサポートを受けながらの粘り腰で勝ち越しトライ。相手のペナルティゴール成功で４点差とされた大阪第３代表だが、後半開始早々にエース近藤が約60メートル独走トライを奪い、流れを引き寄せた。御所実は試合終了間際にキャプテンのSO竹田祐将がインゴールに飛び込んで２点差としたが、ミラクル劇の時間は十分に残っておらず、17−15でノーサイドの笛が鳴った。

　2011年度の高校日本一を決める決勝戦、「東福岡 vs. 東海大仰星」は７日午後２時５分に大阪・近鉄花園ラグビー場でキックオフ。両者は５年前にもファイナルステージで対戦しており、そのときは東海大仰星がチャンピオンフラッグを持ち帰った。